横浜ゴムは11月14日、農業用機械向けタイヤなどのオフハイウェイタイヤ(OHT)の生産販売子会社であるイスラエルの「Alliance Tire Company(アライアンス・タイヤ・カンパニー)」の工場(ハデラ市)を、12月末で閉鎖することを発表した。
イスラエル工場は、同社がグローバル展開する30以上の生産拠点のひとつ。70年以上前に操業を開始したが、ここ数年に亘っては、原材料の産地に近く、労働人口が豊富で人件費の安い南アジアに生産拠点が設立されてきたことにより、同国でのタイヤ製造コストはそれら南アジアのタイヤメーカーと比べて競争力を失いつつあり、また、主要市場へのタイヤの輸送費の観点に於いても、南アジアのタイヤメーカーに対する優位性を失ってきている状況にもなっていると云う。
横浜ゴムは今回、以上のような現在の市場環境とタイヤ業界の生産拠点の構造変化を勘案し、OHT事業の持続的な収益性と長期に渡る将来性を確保するため、同工場を閉鎖し、市場の状況に適応すべく、その生産能力を他拠点に統合することが不可欠であると判断。今後は、工場閉鎖までの期間、従業員や協力企業、取引業者を支援し、工場閉鎖の影響を最小限に抑えるべく協力していくとしている。
<イスラエル工場の概要>
– 会社名:Alliance Tire Company Limited ※YOHT(旧ATG)のグループ会社
– 所在地:イスラエル・ハデラ市
– 従業員数:474人(2024年8月時点)
横浜ゴムでは、OHT市場でのシェア拡大に向けて成長分野への投資を積極的に進め、既に農業用機械向けタイヤを世界トップに、また産業・港湾用車両向けタイヤをシェア2位(同社推定)にまで成長させてきたと云う。
しかし、持続的な成長し続けるためには、効率的かつ世界クラスの製造品質を保つ必要があると考えから、今後も継続的に最適な生産拠点の在り方を検討していくとしている。