横浜ゴムは10月29日、トヨタ自動車が販売している「JPN TAXI」向けのオールシーズンタイヤ「TAXI TOURING A/S(タクシー・ツーリング・エーエス)」を2021年11月1日より国内で本格発売すると発表した。
発売サイズは185/65R15 88Hの1サイズで、価格はオープンプライス。
近年、都市部では大雪による事故が社会問題化したことを背景にハイヤー・タクシーへの冬用タイヤの装着ルールが厳格化しており、事業者にとってスタッドレスタイヤの購入、シーズンごとのタイヤ交換、使用しないタイヤの保管などタイヤに関わる手間やコストの増加が課題となっている。オールシーズンタイヤはドライ・ウェット路面から冬の突然の降雪による雪道まで1年を通じて使用できるため、こうした課題の解決に貢献することができる。横浜ゴムは東京の国際自動車とともに約2年をかけて「TAXI TOURING A/S」を共同開発した。
「TAXI TOURING A/S」はオールシーズンタイヤとしての雪上性能、ウェット性能、ドライ性能を確保しながら、タクシー用タイヤに求められる耐摩耗性能の向上を追求した。トレッドパターンには横浜ゴムのグルーブ・サイプ技術を投入し、イン側はウェット性能、センター部は雪上性能、アウト側はドライ性能を発揮する専用の非対称パターンを開発。さらに「5ピッチ・バリエーション」が優れた静粛性を発揮。コンパウンドは、マイクロシリカの配合および末端変性ポリマーと複数のポリマーの最適配合により、雪上性能とウェット性能を高次元で両立させながら燃費性能にも配慮した。また、プロファイルを正方形化することで接地面積を最大化。乗員数や荷物の量で荷重が変化しても均一な接地圧を保持し偏摩耗を抑制する。
サイドウォールには、サマータイヤよりも積雪路を走行できる証である「M+S(マッド&スノー)」規格のマークを打刻。加えて国際基準で定められたシビアスノータイヤ条件にも適合しており、欧州で冬用タイヤとして認証された証である「スノーフレークマーク」が打刻されている。また同商品は高速道路の冬用タイヤ規制時にも対応している。