屋内氷盤試験場の室内氷盤路
横浜ゴムは2020年11月、北海道旭川市にあるタイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」の冬用タイヤの氷上性能をテストする屋内氷盤試験場に、全長約100mの国内最大級となる冷媒装置を備えた氷盤試験路面を設置したと、2月19日、発表した。
冷媒装置を導入した新氷盤路は、氷の表面温度を-10℃~0℃までコントロールすることが可能な能力※を備えている。これにより、スタッドレスタイヤの開発で重要な0℃付近の高温域から低温域まで様々な氷上路面でのタイヤ試験を安定した試験条件により行うことが可能となった。さらに、初冬の外気温に左右されずに氷盤路面を作ることができるようになったため、氷上制動試験の開始時期を早めるなど開発期間の自由度が向上した。このため、スタッドレスタイヤからスタッドタイヤ、オールシーズンタイヤまで多様なカテゴリーに対応した冬タイヤの開発を、高精度かつ効率的に行うことが可能になった。
※基準の室温が5℃の場合
TTCHはタイヤ事業のグローバルな拡大に伴う評価数の増加や評価手法の高度化に対応するため、2015年12月に開業したテストコースで、乗用車およびトラック・バス向け冬用タイヤの試験を実施している(春から秋は夏用タイヤの試験にも活用)。屋内氷盤試験場は冬用タイヤのさらなる高性能化を目指して2018年1月に開設している。
横浜ゴムは、冬用タイヤテストコースとしてTTCHのほかに、スウェーデンに「YOKOHAMA TEST CENTER of SWEDEN(YTCS)」を設置している。TTCHでは世界中で販売する全ての冬用タイヤの試験を行い、YTCSでは欧州大陸やロシア・北欧向け商品の確認評価を実施しており、各国・地域の冬路面に最適な冬用タイヤの開発を推進している。
屋内氷盤試験場に導入した新冷媒装置
■北海道タイヤテストセンターの概要
– 名称:北海道タイヤテストセンター(英文:Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)
– 開業:2015年12月
– 所在地:北海道旭川市神居町上雨紛500(かむいちょうかみうぶん)
– 敷地面積:906,462㎡
– 試験対象:乗用車およびトラック・バス向け冬用タイヤ(春から秋は夏用タイヤの試験にも活用)
– 試験コース:
速度100km/h超での高速試験が可能な直線約1kmの圧雪路を持つ全長2.3kmの周回路
氷盤路、雪上/氷上登坂路、雪上/氷上旋回路、勾配5%の全長1.1kmの圧雪ハンドリング路
■屋内氷盤試験場の概要
– 建物寸法:全長119m、全幅24m、室内高(最高部)8.8m
– 延床面積:2,859.6㎡
– 構造:鉄骨造平屋建て
– 稼動:2018年1月