横浜ゴムは5月14日、2019年3月期の連結決算(2019年1月1日〜2019年3月31日・2019年度第1四半期累計連結決算)を発表。
売上収益が前期比0.2%増の1,495億円と過去最高を記録したものの、事業利益(※)が同50.1%減の58億円、営業利益が同8.4%減の129億円となり、中国市場における自動車生産調整の煽りを受けた主力のタイヤ事業の落ち込みなどが業績に反映した結果となった。
また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同2.2%減の91億円となっている。
タイヤ事業は中国市場や暖冬の影響を受け減収
タイヤ事業では、新車用タイヤの販売が、国内での納入車種の切り替えなどにより低調だったほか、海外においては、中国で景気減速に伴う自動車生産調整が続いており、国内、海外ともに売上収益は前期を下回る結果となった。
一方、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」シリーズや低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」シリーズを擁する市販用タイヤにおいても、売上収益は前期を下回ることとなった。
同社によると、これは「国内での暖冬の影響により冬用タイヤが低調だった」ことが大きな要因だとする。
以上の結果により、タイヤ事業全体の売上収益は前期を下回り、事業利益については販売数量の減少に加えて、生産量減少に伴う製造原価の悪化等の影響により減益となっている。
MBは前期を上回る売上収益
MB(マルチプル・ビジネス)は堅調で、全体的に売上収益が前期を上回る結果となった。
これは、
・ホース配管事業が国内の建機需要が引き続き堅調だったことに加え、海外でも自動車向けが堅調
・工業資材事業は、国内外でコンベヤベルトの販売が好調だったほか、海外での海洋商品の販売が増加
・ハマタイト事業は、国内の建築用シーリング材の販売が好調
・航空部品事業は官需、民需とも好調
といったことが要因となった。
ATGは増収増益
ATGは、農業機械用・産業車両用タイヤを始めとするオフハイウェイタイヤが、欧州における新車用タイヤの販売が好調だったことに加え、市販用タイヤも各地域で好調だったことから、売上収益、事業利益とも前期を上回っている。
2019年度の業績予想を修正
なお、2019年度の業績予想については、固定資産の売却益計上を踏まえ、前回公表予想(2019年2月公表)を修正することとした。
売上収益は6,600億円、事業利益は575億円と据え置き、営業利益を前期比21.5%増の650億円(前回予想比13.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益を前期比29.1%増の460億円(前回予想比15.0%増)と計画している。
※同社では事業利益を日本基準の営業利益に当たる指標として設定。事業利益=売上収益-(売上原価+販売費及び一般管理費)で算出している。
決算ハイライト(百万円)
事業別(百万円)