ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーパワーテクノロジーは、欧州排出ガス規制(EU StageV)および、米国排出ガス規制(EPA・CARB Tier4)に対応する高出力産業用ディーゼルエンジン2機種(3TN86CHT/4TN86CHT)を、産業用立形水冷ディーゼルエンジンのラインアップに追加する。
新開発のエンジンは、ヤンマーが長年培ったディーゼルエンジンの最新技術を集約することで、さらなる高出力密度(※1)を追求。また、各国の厳しい排出ガス規制に対応するとともに、小型化、低燃費・低騒音化を実現した。
[商品概要]
– 商品名:産業用立形水冷ディーゼルエンジン 3TN86CHT/4TN86CHT
– 量産開始時期:
・3TN86CHT 2020年10月
・4TN86CHT 2021年4月
<主要緒元>
[主な特長]
(1)高出力密度
高出力化に向けて、エンジン各部の高強度化を織り込むとともに、新たなターボチャージャマッチング設計を実施。これにより、現在のラインアップにあるTNVインタークーラ付き同排気量モデルに比べて3TN86CHTでは20%、4TN86CHTでは14%の高出力化を達成。
(2)コンパクトサイズ
作業機のエンジン搭載スペースを考慮したコンパクトなエンジン外形とすることで、作業機への搭載性を向上。また、排出ガス後処理装置を大型化することなく高出力化を図ることで、作業視認性や居住性の向上に貢献。
(3)独自の排出ガス後処理装置制御
PM(※4)を捕集する独自DPFシステムを採用。高地や低温下、軽負荷から重負荷、あらゆる作業条件下でも運転を続けられる。また、DPFクリーニングサービスは、6,000時間のロングインターバルを実現。
※1:出力密度:単位排気量当たりの出力。
※2)DOC:ディーゼル・オキシデーション・キャタリストの略で、ディーゼル排出ガス中の炭化水素と一酸化炭素を無害な二酸化炭素や水に変換する酸化触媒。
※3)DPF:ディーゼル・パティキュレート・フィルターの略で、ディーゼル排出ガス中の粒子状物質を除去するフィルタ。
※4)PM:パティキュレートマターの略で、すすなどの浮遊粒子状物質。
*タイトル写真:立形水冷ディーゼルエンジン「4TN86CHT」(左)と「3TN86CHT」(右)。
■(ヤンマー)立形水冷ディーゼルエンジン:https://www.yanmar.com/jp/engine/products/diesel/v_watercooled/