ヤマハ発動機は１１月１６日、CO₂削減や環境負荷低減に対する取り組みとして、植物由来の「セルロースナノファイバー（以下、CNF）強化樹脂」を、マリン製品へ採用すると発表した。

また今回、CNF強化樹脂の開発に関して日本製紙と協業することで合意。同素材の輸送機器部品への実用化は、世界初（*）の事例になると云う。

CNF強化樹脂は、木質資源を活用したバイオマス素材であるCNFを、ポリプロピレンなどの樹脂へ混練・分散して製造する高強度な新素材。既存樹脂材料と比較して25％以上の軽量化が図れることに加え、マテリアルリサイクル性に優れるため、プラスチック使用量の削減とCO₂を主とした温暖化ガス排出削減につながると云う。

原材料となる木材チップのイメージ。

ヤマハ発動機は、この素材を用いて水上オートバイとスポーツボートのエンジン部品を開発し、2024年モデルの一部で採用する計画。また、将来的にはマリン製品のみならず、二輪車などを含めた同社の幅広い製品群への展開も検討する。

今年2月に発表した新中期経営計画（2022～2024年）に基づき、持続的な社会への貢献を目指し、サステナビリティ対応の強化を進めるヤマハ発動機は、目標達成に必要なカーボンオフセットの取り組みを加速させるため、今後もサステナビリティに寄与する技術の研究・開発を推進するとしている。

*ヤマハ発動機および日本製紙調べ。

※タイトル画像：セルロースナノファイバー強化樹脂「Cellenpia Plas（セレンピアプラス）」。