ヤマハ発動機は２月２７日、本社工場に新設したカーボンニュートラル対応量産塗装ライン「CN1」を20日に稼働、二輪車用燃料タンクの塗装を開始したことを発表した。

この新塗装ラインでは、これまで主に化石燃料を用いていた前処理や塗装、焼付、乾燥といった工程のすべてを電気エネルギーにシフト。オール電化による製品塗装ライン設備の稼働は、二輪車業界初（ヤマハ発動機調べ）であると云う。

従来の塗装ラインでは、塗料をはじめとする液体の加温や、塗装ブースの加温・加湿、また焼付・乾燥といった各プロセスで化石燃料が用いられるが、同社が今回新設した塗装ラインでは、塗料メーカーとの共同による低温対応塗料の開発や、コンパクトな設備設計や新たな断熱・給気リサイクル技術等、様々な技術要件を組み合わせることでオール電化を実現。

また、塗装工程の革新により、従来型のラインでは実現できなかったカラー表現を可能とするなど、新たな魅力価値の創出にも貢献するほか、準備工程の簡素化による製造リードタイムの短縮や多品種少量生産への対応力向上、1部品ごとのトレーサビリティの実現、快適な作業環境による働きやすさの向上などにも寄与すると云う。

二輪車業界初のカーボンニュートラル塗装ライン「CN1」をラインオフ。

ヤマハ発動機は、「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」で、2050年までに事業活動を含むサプライチェーン全体のカーボンニュートラル（*）を目指しており、また、スコープ1. 2.に於いてはグループ会社を含む各製造拠点でのカーボンニュートラル実現の目標を2035年に設定。今回の新塗装ラインの導入は、その一環であるとしている。

※ 企業活動における自社の排出（スコープ1. 2.）＋スコープ1. 2.以外の排出（スコープ3.）。