ヤマハ発動機は、スカラロボット(水平多関節型ロボット)の新製品「YK400XE」(アーム長400mm)を、9月17日に発売する。
「YK400XE」は、従来機種「YK400XR」の後継モデルで、駆動系やアームの強化による剛性アップやコントローラ「RCX340」の性能向上等により、最大可搬質量を従来機種比1.4倍の4kgに向上した他、標準サイクルタイム約10%短縮の0.41secを実現。生産能力を向上させつつ、価格を従来機種同等としている。
また、取り付け位置が従来機種と完全互換のため、置き換え作業も容易に行えると云う。
なお同製品は、9月17日から21日まで、中国の上海で開催される国際工業総合見本市「中国国際工業博覧会」に展示される。
[YK400XEの主な特徴]
■最大可搬質量:4kg
駆動系やアーム構造の見直しを行うことで剛性アップを図り、最大可搬質量を従来機種比1.4倍の4kgを実現。小型部品の組立て、箱詰め、仕分け、検査など幅広い用途に対応する。
■標準サイクルタイム:0.41秒
アーム構造の見直しによる振動低減の実現やモーションの最適化により、標準サイクルタイムを従来機種比約10%短縮し0.41秒を達成。高速かつ振動の少ない俊敏な動作で、生産性向上に寄与する。
■軌跡性能向上
精密部品の組立てやシーリングなどの動作に対してより最適化を図るため、パフォーマンスエリア(実際の使用領域)に最適なパラメータの採用や、コントローラ「RCX340」の性能向上等を図り、軌跡精度を向上させた。
■低価格:798,000円(※)
可搬質量、動作性能、軌跡精度など基本スペックを向上しながらも、価格は従来機種YK400XRと同等の798,000円とした。
※消費税別。モデル本体とコントローラ「RCX340」のセット価格。
■取り付け位置完全互換
取り付け位置は従来機種YK400XRと完全互換となっており、置き換え作業も容易に行える。
[市場背景]
スカラロボットは、生産ラインの自動化・省力化のニーズの高まりを背景に、需要増加(※)が続いている。
ヤマハ発動機は、主にスマートフォン、パソコン、家電製品などの小型部品の組立に使用される、アーム長400mmクラスのスカラロボット従来機種「YK400XR」の上位互換機種として「YK400XE」を投入。小型スカラ型ロボット市場でのシェア拡大を目指す。
同社スカラロボットは、二輪車製造ラインでの使用を目的として研究開発をスタート。1976年に自社工場に導入して以来43年の歴史がある(販売開始は1984年)。
ヤマハ発動機では以降、製品の拡充を進め、現在ではアーム長120mmから1,200mmの業界トップクラスの豊富な製品群をラインアップし、様々な業種・分野におけるファクトリーオートメーションを支えている。
※2018年実績:46,550台、前年比120.0%(出典:「2019ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望」 株式会社富士経済)。
[YK400XE基本仕様]
※1:周囲温度一定時の値(X,Y軸)。
※2:水平方向300mm、垂直方向25mm往復、粗位置決めアーチ動作時。
※3:実際の使用環境で慣性モーメントを入力する必要あり。