ヤマハ発動機は7月30日、クロスカントリー競技用「YZシリーズ」2022年モデル4機種を10月28日に発売すると発表した。
■YZ250FXの主な特長
1)中高速域の出力と低中速域での扱いやすさを向上したエンジン
クリーナーボックスのキャップケースにダクトを設け、流入空気量をアップさせることで中高回転域でのパワーアップを図った。
また、排気側のカムプロフィールを変更。オーバーラップを減らしてワークアングルを最適化することで、とくに低中速での扱いやすさを向上している。このハイパワー化にあわせ、カムチェーンテンショナーは、伸・圧コイル併用の従来式を継続したうえで、伸側コイルのスプリング特性を最適化し、高回転域での滑らかな作動性を確保した。
さらに、さまざまな走行環境への対応力を広げるため、新たなFIマップを織り込み、最適セッティングを施したECUを採用。なお、バランサーはウエイト位置をギア4歯分位相して、発生する一次慣性力の「方向」と「大きさ」を調整、低中速回転域での体感振動を低減している。
2)クロスカントリー向けFX専用チューニングのフレーム
タンクレールとダウンチューブの肉厚を最適化して搭載した、2021年「YZ250F」と同一のバイラテラルビーム・フレームを採用。またエンジン懸架ブラケットの形状をクロスカントリー向けにチューニングし、出力向上を果たしたエンジンと最適化した。
3)容量をアップし、性能とサウンドを両立させるマフラー
2021年モデル比で容量を340ccアップし、減衰特性を最適化することで高周波音を抑え、低周波中心のトルクフルなサウンドとした。環境への配慮と不快な音を軽減し、長時間走行時のライダーの負担低減にもつなげる。
4)軽量で高いパフォーマンス性とコントロール性を両立したブレーキ
フロントブレーキは、ピストンサイズを22.65mmから25.4mmに大径化。キャリパーは形状の見直しで剛性を30%アップさせた。さらに摩擦力の安定性に優れたパッド材を採用し、面積を25%拡大、270mm径のローターはステー部の形状を変更することにより重量を増やさずにパッドとの接触面積を16%拡大した。
一方リアブレーキは、キャリパーの形状変更により軽量化。ローター形状を変更し、制動力を維持したまま軽量化し、熱容量バランスの最適設計により熱歪みを最小限に抑えている。システム全体で現行比120g軽量化した。
5)幅広いシチュエーションに対応させたパワーチューナー
パワーチューナーをよりわかりやすく、利用しやすくするため推奨マップのバリエーションをモディファイ。また、ECU MAPは日本のシチュエーションに最適化した専用セッティングとした。
■メーカー希望小売価格
– YZ450FX:1,122,000円
– YZ250FX:979,000円
– YZ250X:748,000円
– YZ125X:638,000円