ヤマハ発動機は1月31日、ロボット・トレードショー「2022国際ロボット展(iREX2022)」に、「運ぶ(搬送)」をテーマとする各種製品やサービスを出展すると発表した。
出展コンセプトは、“μ to km(ミクロン・トゥ・キロメートル)~Robotics Transportation~”。リニアコンベアモジュールや小型AGV(無人搬送車)、さらには屋内外対応の自動搬送ソリューション等をコネクトした次世代搬送の新たなスタイルを提案する。
ロボティクスおよび知的技術は、当社の長期ビジョン「ART for Human Possibilities ~人はもっと幸せになれる~」の実現に向けて基盤と位置づける技術領域。生産活動には直接寄与しないことから無価値とされる搬送作業や単純作業から人間を開放し、人がよりスマートに働くことができるソリューションを目指している。
■2022国際ロボット展
<リアル会場>
会期:2022年3月9日(水)~ 12日(土)
会場:東京ビッグサイト
<オンライン会場>
会期:2022年3月1日(火)~ 18日(金)
会場:オンライン上
■出展の主旨
搬送が、自動化の未来を加速させる。
ヤマハ発動機は、スマートファクトリーの実現に最も重要かつ高頻度で求められる「モノの搬送」に注目している。これまで生産に直接的には寄与しない時間となっていた搬送に機能を付与し、繋ぎ合わせることで、新たな付加価値を持たせることに取り組んでいる。
「2022国際ロボット展」では、μの精密位置決めから、装置間、工程間、工場間のkm移動まで、さまざまな環境での搬送を可能にしたソリューションを提案する。
■主要出展モデル
・リニアコンベアモジュール LCMR200
ラインの生産性を劇的に高める搬送プラットフォーム。国際ロボット展では、新開発のLCMR200トラバースユニットによって生産ラインの分岐や工程の追い越しを実現し、ボトルネックを解消したデモ機を初公開する。また、リニア搬送のメリットを活かす非接触給電の活用や、ラインスキャンカメラとの組み合わせ例をデモ機として展示する。
・3Dピッキング (参考出品)
複数種類のボルトなどを小分けにする、キッティング作業の省人化に貢献する3Dピッキングロボット。画像解析技術により、プログラム設定やCADを用いずとも、すぐに正確なピッキング作業と管理が可能となる。
・自律移動ロボット AFV (参考出品)
生産ラインの間をつなぐ搬送用ロボット。次世代のFAを牽引する重要なソリューションとして、生産現場の自動化に柔軟に対応する。自由自在な動きに加え、コンベアでの積荷の受け渡しも可能な停車精度等を備えた、高性能自律移動ロボットとなる。
・組み立て型タフネスAGV:COW-el (参考出品)
Simple, Smart, Strongをコンセプトとする無人搬送車。走らせるルートの指定は「ビニールテープ」を貼るだけ。レールの埋設工事やマッピングなどのプログラムも不要です。従来のAGVが苦手としたタフな環境にも適応できることから、鋳砂を使用する当社の鋳造現場でも運用されている。
・耐環境・車載対応タフネスロボットアーム (参考出品)
優れた耐暑・耐寒性と防水・防塵性、さらに高い耐振動性を備えた全天候型のロボットアーム。AI画像解析との組み合わせにより、屋外での移動と作業を自動化する頑強な一手として活躍する。
・屋内外対応自動搬送用EV
自動運転技術を用いて「今日から、自動化」を実現する搬送ソリューション。屋外での風雨や、傾斜・段差のある環境でも搬送が可能。パソコンで手軽にルート変更ができるほか、さまざまな情報収集が可能となる。無理・無駄なく工程の標準化に貢献。グループ会社であるeve autonomyが、今夏よりこの車両を用いた自動搬送サービスの提供を開始する。
・協働ロボット (参考出品)
全軸に高精度力覚センサーを備え、精密動作と高い安全性を両立し、高精度な力覚制御を実現するす。7軸の採用により狭いエリアでの作業が可能なほか、一般的な協働ロボットの低速動作に加え、高速動作モードも備えている。
※その他、「アイシャドウ自動組立設備」「スカラ×ロボット手首関節モジュール」等を展示。