ボルボ・カーズは北欧時間の4月18日、同社のベンチャーキャピタル部門であるボルボ・カーズ・テック・ファンドを通じ電気自動車用の超高速充電バッテリー技術を開発するイスラエル企業、ストアドット(Store-Dot) に出資し、これをボルボ・カーズ日本法人が4月19日に公式発表した。
ストアドットは予てより、独自の有機・無機化合物の設計・合成を介してリチウムイオン電池への充電を5分で実現できるための技術開発に取り組んできた。2019年には、二輪EVを5分でフル充電するデモを実施。現在は2024年迄に専用のEV用電池の大規模生産を目指している。そんな同社の戦略的投資家には、VinFast、BP、Daimler、Ola Electric、Samsung Ventures、TDKなどが並ぶ。
これら同社の先駆的なバッテリー開発は、独自のシリコン優位の負極技術と関連するソフトウェアの統合が中心となっており、こうした取り組みは、航続距離が長く、充電時間が短く、コストがかからない電気自動車を開発するというボルボ・カーズが目指す目標と密接に結びついている。
そもそもボルボ・カーズは、2030年迄に完全な電気自動車メーカーになることを目指している訳で、今出資により、ストアドットの5分充電で160kmの航続距離を実現する蓄電池技術などとの協力機会を得られることになった。なお両社の協業は、主にボルボ・カーズがスウェーデンの大手バッテリーメーカーであるノースボルト社と昨年設立したバッテリー技術のジョイント・ベンチャー内で行われる見込みだ。
また今回は、同合弁事業への約300億スウェーデンクローネ(およそ4000億円)の投資の一環として、スウェーデンのイェ―テボリ地区に研究開発センターとバッテリー製造工場を設立。双方を合わせて3000人以上の新規雇用を創出する。
同投資についてボルボ・カーズ・テック・ファンド代表のアレクサンダー・ペトロフスキは「私たちは、この業界で最も早く変革をもたらす存在になることを目指しており、テック・ファンドは将来の技術リーダーとのパートナーシップを確立する上で重要な役割を担っています。
また電動化とカーボンフリーモビリティに対するストアドットの取り組と私たちの取り組みは一致しています。私たちは、このコラボレーションを成功させ、画期的な技術の市場投入に向けて取り組んでいきたいと思います」と語っている。