ボルボ・カーズは5月27日(スウェーデン本社5月26日発表)、2025年までに全世界の製造拠点をクライメート・ニュートラル(気候中立)にするという目標に向けて大きく前進し、スウェーデンのトースランダ工場が、ボルボとして、完全にクライメート・ニュートラルな状態に達した最初の自動車製造工場となったと発表した。
これにより、2018年にクライメート・ニュートラルを達成したスウェーデンにあるショブデのエンジン工場に続き、トースランダ工場が製造拠点全体で2番目にクライメート・ニュートラルを達成したことになる。
ボルボ・カーズでは、工場が使用する電力や暖房によって大気中への温室効果ガスの排出量がトータルで増加しないことを記録した場合、その製造拠点を完全なクライメート・ニュートラルとみなしている。
ボルボ・カーズで最も古いトースランダ工場は、2008年からクライメート・ニュートラルな電力を使用している。また、暖房もクライメート・ニュートラルのものを使用しており、工場の暖房の半分はバイオガスで、残りの半分は産業廃棄物の熱を利用した地域暖房が主な供給源になっているという。
ボルボ・カーズのインダストリアル・オペレーション&クオリティー部門の責任者であるハビエル・ヴァレラ氏は以下のようにコメントしている。
「トースランダを当社初のクライメート・ニュートラルな自動車工場として確立したことは、重要なポイントです、私たちは2025年までに、クライメート・ニュートラルな製造ネットワークを持つことを約束しており、今回の達成は、環境への影響を減らすために一貫して取り組んでいる私たちの決意の表れです」
それ以外にもトースランダ工場では、常にエネルギーの使用量を削減している。同社によると、2020年に目標とした業務改善を行った結果、年間で約7,000メガワット時(MWh)のエネルギー削減に成功しており、これはスウェーデンの一般家庭450軒分の年間エネルギー使用量に相当するとのことだ。
今後、同工場では、照明や暖房システムなどの効率化をさらに進め、2023年までに年間約20,000MWhの省エネを実現する予定。これらのエネルギー削減は、ボルボ・カーズが2025年に製造ネットワークで生産される自動車1台あたりのエネルギー使用量を30%削減するという目標を達成するための一端となる。
そのために、クライメート・ニュートラルな電力や暖房を利用するために、政府や地域のビジネス・パートナーの全面的な支援をあおぎつつ、さらに現地で独自の再生可能な発電能力を開発することも予定している。この計画の中心には、ボルボ・カーズの全ラインナップ電動化という目標があり、全面的な電動化によるテールパイプ排出量への対応にとどまらず、ボルボの広範な事業活動、サプライチェーン、循環型経済を取り入れた材料のリサイクルと再利用による二酸化炭素排出量の削減への取り組みも含まれている。