ヴァレオは１１月１６日、サラウンドビュー魚眼カメラ・オープンソースデータセットである「ＷＯＯＤＳＣＡＰＥ」の公開を発表した。

「より安全な道路交通に向けて、ヴァレオは低速と高速の自動運転シナリオに対応する魚眼カメラ用のコンピュータービジョン・アルゴリズムの開発を推進するために、ＷＯＯＤＳＣＡＰＥを提供してリサーチコミュニティを奨励したいと考えています」とヴァレオ・コンフォート＆ドライビングアシスタンス・ビジネスグループ・プレジデントであるマルク・ヴレコーは述べている。

ＷＯＯＤＳＣＡＰＥは、ヨーロッパ中の走行した複数のヴァレオ車両によってキャプチャされた１０，０００を超える画像で構成されている。これらの車両には４台の自動車グレードのサラウンドビュー魚眼カメラを搭載し、セマンティックセグメンテーション、深度推定、２Ｄオブジェクト検出、ビジュアルオドメトリ、モーションセグメンテーション、汚れ検知、 エンドツーエンドのドライビングなど、さまざまなタスクのためのアノテーションを使用している。

狭視野カメラからのデータセットでは利用できるものがあるが、公開の広範なマルチタスク・サラウンドビュー魚眼カメラデータセットは存在しない。さらに、公開された自動車のデータセットのほとんどが、３つまたは４つのタスクでのリサーチに制限されている。

自動運転の研究における最も大きな課題の１つは、知覚システムが車両の周囲の物体を分類できるように、完全にラベル付けされ、人間が注釈を付けた十分な関連データを取得すること。ＷＯＯＤＳＣＡＰＥは、この課題への対処に役立つという。

ヴァレオは、超音波センサー、レーダー、カメラに加え、業界初かつ唯一の量産されている車載規格のＬｉＤＡＲを含む、自動車業界で最も包括的なセンサー群を備えている。特に、自動運転の鍵となる３６０°の検知を可能にする魚眼カメラを製造。自動運転と駐車のためのコンピュータービジョンの研究を次のレベルに引き上げることを目指している。