トラストスミスは1月27日、筑波大学大学院の坂本航太郎氏らが考案した「ドライブレコーダー映像から個人情報を取り除くAI」のモザイク精度の向上に成功したと発表した。
改正個人情報保護法の公布により個人情報の取り扱いが注視される中、ドライブレコーダー映像の汎用的な使用を可能にする。
■背景
近年、ドライブレコーダーの普及により、交通事故における情報の記録・処理が容易となってきた。ドライブレコーダーの映像は、事故の際の事実確認としての役割を果たすことはもちろん、道路状況や風景のデータバンクとしての価値も高く、AIの学習にも利用することができる。
一方、記録される映像には、顔や車のナンバープレートなど、多くの個人情報が含まれる。個人情報が含まれた映像の公開や他社への引き渡しは、個人情報の流出による、風評被害につながる可能性がある。
個人情報保護法の改正に加え、プライバシーの保護が、世論的により重要になっている今、個人情報を取り除くことがより重要になってきている。
■技術の特徴
「ドライブレコーダーの映像から個人情報を取り除くAI」は、個人の顔面や、車のナンバープレートなど、個人情報に関わる要素を自動で認識し、該当箇所をモザイクのように自動で消し込む技術。この技術は、筑波大学大学院の坂本航太郎氏が中心となって考案・開発に成功したもので、大きく2つの特徴を持つ。
①オンプレミスでの映像処理が可能
既存の映像処理技術では困難だったオンプレミスでの処理が可能となり、ドライブレコーダーで撮影される映像に対して、個人情報を特定し、取り除くことができる。ローカルネットワークで処理することができるため、個人情報を確実に保護することができる。
②高精度での映像処理が可能
最先端の技術を活用した独自のライブラリにより、情報量の多い高精度の映像に対しても高速で処理することができる。
個人情報に関わる要素を全て自動で認識し、自動で消し込む
■アップデート内容
認識対象を変えることで、顔・ ナンバープレートモザイクの精度向上に成功。以前は顔のみを認識していたが、人物の位置を元に顔の位置を推定することで、顔モザイクの精度が1.5倍程度向上した。この技術により、人物ごとのモザイクも可能となり、個人情報規定のより厳しい会社にも対応できるようになった。同様に、車認識により、ナンバープレートモザイクの精度向上にも成功した。
実際の映像
■TRUST SMITH(トラストスミス)
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