UACJは8月5日、同社のアルミ板材が、2021年8月2日に発売されたトヨタ自動車の新型「ランドクルーザー」のボデーパネルに採用されたことを発表した。
なお、この採用に加えて、新型「ランドクルーザー」の車体製造時に発生するスクラップの全量を同社で引き取り、再びアルミコイルとして製造・出荷する「クローズドループ・リサイクル」を適用している。
福井製造所自動車パネル用アルミニウム材および製造設備の様子
各国の環境規制が増す中で、世界の自動車メーカーでは燃費向上や航続距離改善を目的とした車体の軽量化が積極的に推進されており、車体の軽量化を実現する手段として、比強度の高いアルミニウム材をパネル材や構造材に採用する動きが活発化。日本国内においても、需要拡大が加速している。
UACJでは、2020年に福井製造所の自動車パネル用アルミニウム材製造設備の稼働を開始し、日本国内でのアルミニウムボデーパネル材の供給体制を強化している。
1951年に発売開始し、14年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型「ランドクルーザー」においては、フード、フェンダー、ドア、バックドア、ルーフなどのパネル部品に福井製造所で製造されるアルミ板材が採用され、車体の軽量化に貢献している。
クローズドループ・リサイクルとは、製造時に発生した端材や、回収した使用済みの自社製品などを再生することで、品質を維持しながら繰り返し再生することができるリサイクルの仕組み。
アルミニウム製造工程におけるCO2発生量の約90%は、アルミニウムの新地金製錬工程によって発生する。また、プレス端材を再利用する際のCO2発生量は、新地金製錬工程でのCO2発生量と比較して大幅に減少する。
今回適用されたクローズドループ・リサイクルでは、車両製造時に発生するスクラップの全量をUACJが引き取り再利用することで、アルミニウム新地金使用量が削減される。このリサイクルプロセスの実現により、CO2の発生を抑制することができるとしている。