豊田通商は、炭酸リチウム生産のパートナーでオーストラリアのリチウム資源開発会社のオロコブレ社(Orocobre)と、福島県双葉郡楢葉町で水酸化リチウムの製造事業を行う合弁新会社「豊通リチウム」を設立した。
着工は2019年上半期中を予定し、2021年上半期中の生産開始を目指す。
豊田通商は、2014年末からオロコブレ社とともにアルゼンチンオラロス塩湖での炭酸リチウム生産を開始し、昨年11月末に拡張を決定。
需要が伸びている車載二次電池用炭酸リチウムの供給だけでなく、リチウム電池の技術革新に伴い二次電池の高容量化も見込まれることから、原料となる水酸化リチウムの生産・供給体制を構築することとした。
生産する水酸化リチウムの原料(炭酸リチウム)は、アルゼンチンのリチウム生産拠点サレス・デ・フフイ(Sales de Jujuy:SDJ)から調達し、生産能力は10,000トン/年を目指す。
販売は、豊田通商グループ会社の豊通マテリアルが100%を請け負い、車載二次電池用だけでなく他工業製品用にも販売する予定。
また、同事業は東日本大震災の復興支援である経済産業省の自立帰還支援雇用創出企業立地補助金の対象で、豊通リチウムでは50人以上の新規雇用を予定。総事業費は、90億円程度を見込んでいる。
豊田通商は、2018年の炭酸リチウム生産能力拡張および同件を通じて、自動車の電動化シフトに伴うリチウム需要の増加に対応していくとしている。
[豊通リチウム会社概要]
– 会社名:豊通リチウム株式会社
– 設立:2018年10月
– 資本金:10億円
– 所在地:福島県双葉郡楢葉町
– 従業員数:50人以上(予定)
– 生産能力:水酸化リチウム 10,000トン/年
– 生産開始:2021年上半期予定
■Orocobre:https://www.orocobre.com/