豊田通商は8月26日、グループ会社の豊田通商アフリカ(Toyota Tsusho Africa:TTAF)が、オギハラタイランド (Ogihara Thailand Company:OTC)と、南アフリカ共和国に合弁会社「オギハラ南アフリカ(Ogihara South Africa:OSA)」を設立したことを発表した。新会社では、南アフリカトヨタ(Toyota South Africa Motors:TSAM)向けに、自動車用プレス部品を製造する。なお、出資比率はTTAFが49%、OTCが51%となっている。
1.設立の背景と目的
アフリカ最大の自動車生産国である南アフリカでは、失業率の高さが社会的な問題となっていることから、同国では、自動車産業政策(SAAM)に於いて、2035年までに自動車生産部品の現地調達比率を現在の39%から60%まで高めることや、自動車産業関連の雇用者を現在の2倍に当たる24万人にすることなどが定められていると云う。
こうした政府の方針を受け、トヨタ自動車では、現地自動車生産拠点であるTSAMに於いても、部品の現地調達比率の向上を推進。
同国で長きに亘りTSAMの生産を支えるビジネスを行ってきたTTAFでは、今回、世界各国でプレス部品製造を行うOTCと合弁会社を設立し、TSAM向けのプレス部品を同国内で製造することとしたと云う。
2.今後の展開
合弁会社では現在、南アフリカのダーバン市で工場の建設を進めており、2026年1月からのプレス部品の製造開始を予定。その後、現地でのプレス部品の生産比率を段階的に高めていき、最終的にはOSAでの完全現地生産を目指すとしている。
また、OTCから輸入しているプレス部品を現地生産することで、TSAMの現地調達比率を引き上げることに寄与すると共に、現地生産する部品の種類を広げ、さらなる比率の向上にも取り組んでいく。なお、OSAでは2026年までに約250人の現地雇用を予定していると云う。
建設中の工場。
豊田通商グループは、南アフリカにおける自動車用プレス部品生産を通じて、同国が掲げる現地調達率の向上と雇用の創出に貢献し、同国の経済発展に寄与していくとしている。
※タイトル写真:合弁会社設立のセレモニーの様子。左から:CFAO South Africa CEOのAndrew Velleman氏、TTAF Managing DirectorのWayne Bowyer氏、Minister of Trade & IndustryのMinister Parks Tau氏、TSAM President & CEOのAndrew Kirby氏、OTC CEOの森田浩司氏。
[会社概要]
■オギハラ南アフリカ(新会社)
– 会社名:Ogihara South Africa (Pty) Ltd.
– 設立:2024年1月
– 所在地:南アフリカ共和国 ダーバン
– 事業内容:プレス部品製造
– 資本金:350百万ランド
– 出資比率:Ogihara Thailand Company 51%:Toyota Tsusho Africa 49%
■豊田通商アフリカ
– 会社名:Toyota Tsusho Africa (Pty) Ltd.
– 設立:1999年10月
– 所在地:南アフリカ共和国 ダーバン
– 事業内容:自動車生産事業体向けサプライチェーンマネジメント
– 資本金:358百万ランド
– 出資比率:CFAO Holdings South Africa 74.9%:Kapela Holdings 25.1%
■オギハラタイランド
– 会社名:Ogihara Thailand Company Ltd.
– 設立:1987年2月
– 所在地:タイ王国 バンコク
– 事業内容:自動車用プレス部品とプレス金型製造
– 資本金:372百万タイバーツ
– 出資比率:Ogihara Corporation 50%:ITOCHU Thailand 25%:他