豊田通商は、台湾豊田通商股份(TOYOTA TSUSHO (TAIWAN))を通じて、車載用モーター製造事業を展開する台湾企業の富田電機(英名:FUKUTA ELEC. & MACH)の株を一部取得し、同社へ資本参画し、車載用モーターの製造および中核部品であるモーターコアの加工事業に新規参入する。
排ガス規制や環境問題を背景に、EVやPHVなど電動自動車の普及が世界的に加速しており、それに伴い、車載用モーターの需要も大幅に増加することが予想されている。
特に中国では、2019年1月から新エネルギー車(NEV)規制が始まったことで、今後NEV普及が進み、中国国内でのNEV生産の加速も見込まれているため、電動車最大の市場として着目されている。
豊田通商は、今後の市場成長を鑑み、電動車の要であるモーターの製造および中核部品であるモーターコアの加工事業に同社として初めて参入することを決定した。
1988年に設立された富田電機は、モーター製造における高い技術開発力と加工ノウハウ、販売実績を持つ台湾のメーカーで、従来、分業化され、製品化されるまでに複数の事業者が関わるモーター製造において、自社で金型形成を行い、モーター部品の加工から組み立てまでを一気通貫で行うことができるため、コスト面や製造におけるリードタイムの短さに強みを持つ。
また、開発段階から電動車メーカーと協業できる技術・開発力を持つことから、量産品の製造実績も有していると云う。
豊田通商は、2017年から富田電機製品の販売、営業活動を担ってきたが、今後は両社の関係を強化していくとともに、富田電機の更なる技術力向上に向けて、最新技術の紹介やモーター向け電装品、原材料のサプライチェーン構築に協力。将来的には富田電機との協業による中国市場への進出を目指すとしている。
[富田電機社概要]
– 会社名:富田電機有限公司(FUKUTA ELEC. & MACH. CO., LTD.)
– 所在地:台湾台中市神岡区豐工南路18号
– 設立:1988年
– 代表者:代表取締役 張 金鋒
– 資本金:4億台湾ドル(約14.5億円)
– 従業員数:300名
– 事業内容:電動車用モーター/モーターコアの製造・開発