豊田通商は1月18日、グループ会社のCFAOと、共同で設立した“Mobility 54 Investment(以下:モビリティ54)”を通じて、英国とケニアでバッテリーのリユース・リビルト事業を展開する「Aceleron(以下、アクセロン社)」の第三者割当増資を引き受け、昨年12月に出資したと発表した。
近年の世界的なカーボンニュートラルの潮流により、再生エネルギー等への移行に不可欠なバッテリーの需要が増加。アフリカのバッテリー市場は、小型の太陽光パネルや電動マイクロモビリティの普及により、年間11%の成長が予想されている(※1)。
しかし、同国の市場には粗悪品も多く出回っており、安全性やコストオブオーナーシップ(※2)の観点から、良品廉価な製品の普及が期待されるほか、そのまま廃棄されることによる環境や人体への影響が懸念されおり、適切な処理方法の整備が求められていると云う。
アクセロン社は、持続可能なリユース、リビルトバッテリーを開発すべく、2016年に英国で設立されたスタートアップで、通常、内部のセルを溶接などで圧着してしまうために基本的には分解できないバッテリーを、独自の特許技術で分解可能とし、寿命後も一部のセル交換のみで再度使用できる製品を開発し販売。このバッテリーは、新興地域でも簡単に組み立てや修理が可能で、ユーザーは、買い替えコストが抑えられると云う。
アフリカには、2021年に進出し、現地の人にとって利便性の高いリユースバッテリーの製造を開始。現在は、ケニアを中心に、主にソーラーホームシステム(※3)の廃棄電池からセルを調達し、電動マイクロモビリティ向けバッテリーや定置用蓄電池を製造している。
豊田通商グループでは、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)として掲げる「脱炭素社会移行への貢献」に向け、温室効果ガス排出目標と関連事業強化のための投資戦略を策定し、その取り組みを加速。今回の出資は、アフリカでのカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向けた取り組みの一環であり、また、注力するバッテリーの3R(リビルト・リユース・リサイクル)事業の基本戦略“地産地消型サプライチェーンの構築”を実現する取り組みでもあると云う。
今後、豊田通商グループは、アフリカで持続可能なバッテリー事業を確立することで、再生可能エネルギーや電動モビリティの事業展開を加速。引き続き、モビリティ54を通じて、革新的な技術・サービスを展開するアフリカ企業に積極的な投資を行い、事業拡大やサービス拡充を支援、既存事業との相互シナジーを創出し、同国の社会課題の解決により包括的に取り組んでいくとしている。
[会社概要]
<アクセロン社>
– 会社名:Aceleron Limited(アクセロン リミテッド)
– 所在地:英国
– 展開国:英国、ケニア
– 代表者:Founder & CEO, Amrit Chandan(アムリット チャンダン)
– 設立:2016年 8月
– 事業内容:バッテリーのリユース・リビルト事業
<モビリティ54>
– 会社名:Mobility 54 Investment SAS
– 所在地:フランス・セーブル
– 出資比率:豊田通商 70%、CFAO 30%
– 代表者:President & CEO 渡邊 剛
– 設立:2019年 10月
– 事業内容:アフリカ向けスタートアップ企業などへの出資・融資。豊田通商・CFAOグループ事業とのシナジー創出。
■Aceleron:https://www.aceleronenergy.com/