豊田通商は4月13日、水素を活用した再生可能エネルギー(以下、再エネ)のサプライチェーン構築を目的に、水素燃料電池および水電解システムの設計・製造などを手掛けるエノア社に2020年10月に出資したと発表した。
日本政府はグリーン社会の実現に向け、2050年カーボンニュートラルを宣言し、水素をはじめとする、温室効果ガスを排出しない再エネの活用が加速している。燃料電池は、水素などの燃料と酸素を化学反応させることで電力を生む発電装置で、ディーゼル発電機など、従来の発電機の代替として注目を集めている。
豊田通商は、これまで海外メーカー製燃料電池の輸入および国内販売を行ってきたが、燃料電池の用途の多角化に伴い、顧客の使用環境に合わせて、仕様をカスタマイズする必要性がでてきていた。一方、エノア社は、長年にわたり燃料電池評価設備の製造・販売の実績があり、再エネの利活用における水素燃料電池システムの設計・組立をカスタマイズできる希少なシステムインテグレーターである。
今回の出資により、豊田通商はエノア社との協業を強化し、顧客のニーズに合わせた水素燃料電池システムの供給を行うことで、これまで活用されていない分野に対する水素燃料電池の展開に取り組んでいく。特に、自治体に向けたスマートコミュニティ事業の一環で、常用にも非常用にも利用可能な電力供給設備として水素燃料電池の活用を推進していくとしている。
燃料電池のサプライチェーンのイメージ
■株式会社エノア 概要
– 会社名:株式会社エノア(Enoah Inc.)
– 所在地:愛知県豊田市
– 設立:2010年10月
– 資本金:4,000万円
– 代表者:代表取締役 青野 文昭
– 事業概要:燃料電池評価装置、定置式燃料電池発電システム、水電解システムなどの製造販売