豊田通商は10月14日、グループのエレクトロニクス商社、ネクスティ エレクトロニクスが、米国Blaize, Inc.(以下「Blaize社」)と2021年7月に販売代理店契約を締結し、日本国内中心に自動車及び産業向けに、Blaize社のAIエッジコンピューティング製品の提供を開始したと発表した。
自動運転の実現が本格化する中、自動車内外から取得される多くのデータを、クラウドではなく、デバイス本体もしくはデバイスとクラウド間に設置されたエッジサーバーで分散してデータ処理を行う「エッジコンピューティング」による高速データ処理のニーズが、今後確実に広がると予想されている。また、様々な産業向けに搭載されている多くのセンサーから取得されたデータをエッジで高速処理することで、省人化への期待が高まっている。
今回の販売代理店契約締結によりネクスティ エレクトロニクスは、取引する顧客に対し、北米のスタートアップ企業でAI高性能半導体のキー技術を有し、高い処理性能、低遅延、またメモリーアクセス減少による高い電力効率を実現するBlaize社のAIエッジコンピューティング製品を提供する。
従来のGPUやCPUソリューションに比べて複数の機能が進化したBlaize社製品「Blaize Pathfinder SOM・Xplorer AIアクセラレータ」と、Blaize社製のソフトウェア開発環境「Blaize AI Studio・Blaize Picasso SDK」を組み合わせることで、従来品のように特定のアプリケーション向けに機能が設定されることなく、高効率且つ汎用的に使用可能。そのため、より幅広いユースケースや産業分野で、より実用的且つコストメリットのあるAIエッジ製品が提供することができる。
更に、ソフトウェアとハードウェアの開発環境が整っているため、エンドツーエンドによる使いやすいAIエッジワークフローと、顧客の実際の電力消費、コスト、サイズ、複雑さに対応したソリューションを提供する。
ネクスティ エレクトロニクス常務取締役の中尾清隆は、「Blaize社とのパートナーシップを生かしてネクスティ エレクトロニクスの幅広いお客様に最先端のソリューションを提供できることを喜ばしく思います。エッジAIコンピューティング技術は急速に進化しており、半導体業界のビジネスにおいてこれから重要度をさらに増していくことは確実です。ネクスティ エレクトロニクスの豊富な半導体周辺技術の知見とBlaize社の製品を合わせて、多くのビジネス機会が拓けることを期待しています」と述べた。
Blaize社のVice PresidentであるRichard氏は、「ネクスティ エレクトロニクスのAIによる革新を可能にするシステムを提供するという強みを生かして、ネクスティ エレクトロニクスと協力できることを嬉しく思います。Blaizeの低消費電力、低遅延、計算効率の高いAI推論アクセラレーターによって実現されるエッジAIアプリケーションの採用を促進する要件に、同社のイノベーションへの注力と複数の業界にわたる顧客ニーズの予測は合致しています」と述べている。