豊田通商は11月22日、再生素材メーカーであるリファインバースと協業し、国内の廃車からエアバッグ袋を回収して再資源化する、リサイクル事業の開始を検討すると発表した。事業化に向けて両社は、11月より回収・再資源化の実証を行っていると云う。
日本では年間300万台以上の廃車が発生するが、現状では、補助金が出される特別な処理が必要な部品(フロンやエアバッグの火薬等)のリサイクルは行われるものの、エアバッグの袋や内装材料など、再資源化が困難あるいは再資源化されても活用が難しい部品は焼却による熱回収が行われていると云う。
豊田通商では、エアバッグのライフサイクル全体でのカーボンニュートラルに向けたバリューチェーン構築に取り組んでおり、来年4月には、ベトナムのエアバッグ製造工場で、ナイロン製エアバッグ端材のリサイクル事業を開始する予定。
1970年代から廃車のリサイクル事業に取り組み、蓄積された知見や回収ネットワークを持つ同社は、これまで焼却処理されていた廃車のエアバッグ袋を回収し、エアバッグなどの部品から異物を高度に分離・除去し、マテリアルリサイクル(※)するリファインバースの異物分離技術を活用し、再資源化するプロセスの確立を目指す。
また、これにより、焼却処理で発生していたCO2の減少や低炭素なエアバッグ製造事業の運営を可能とし、“Car to Carのサーキュラーエコノミー(循環型社会)”の実現に寄与していきたいとしている。
豊田通商は、未来の子供たちへより良い地球環境を届けるために、廃棄物を再資源化する循環型静脈事業を推進することでサーキュラーエコノミー実現に寄与すると共に、産業ライフサイクルを通じてGHG削減に貢献する事業を加速し、脱炭素社会への移行に貢献していきたいとしている。
※マテリアルリサイクル:廃棄物を原料として、モノからモノへと再利用するリサイクル。
[リファインバース概要]
– 会社名:リファインバース株式会社
– 所在地:東京都千代田区有楽町
– 設立:2003年12月
– 資本金:149,625千円
– 代表者:代表取締役社長 越智 晶
– 事業概要:廃プラスチックなど(カーペットタイル・エアバッグ含む)の再資源化事業。
■リファインバース:https://r-inverse.com/