トヨタ自動車とトヨタ・モーター・ヨーロッパ(以下、TME)は9月23日、ロシアに於ける生産拠点であるロシアトヨタのサンクトペテルブルク工場(”TOYOTA MOTOR” in Saint-Petersburg/以下、TME)での生産事業の終了を決定したことを発表した。
トヨタとTMEでは、3月4日以降、部品調達が滞り操業を停止したTMR-SPについて、その後も、稼働再開に向けて生産ラインの保全を日々実施するなど準備を継続、ロシアでの生産事業に関する最善策の検討を重ねてきたと云う。
より具体的には先の3月4日に、サンクトペテルブルクの工場で主要な材料と部品の供給が中断され製造業務を停止しなければならなくなった。
トヨタとしては、それ以来、状況を注意深く監視し、ロシアでのビジネスの将来の持続可能性を検討してきたと云う。また同期間中の従業員の雇用を維持し続け、状況が許せば、概設施設での生産を再開する準備もしていた模様だ。
しかし、半年経っても通常の活動を再開することが出来ておらず、将来再開できる兆候も見られない。このままでは現況が継続していけばロシア当地の従業員への十分な支援も出来なくなると判断。
ロシアでの生産活動を終了すること以外に選択肢がないと決めて、TMR-SPでの生産終了に向けた手続きを開始。またモスクワの拠点についても、規模を縮小した上で再編成する。
なおロシアでのトヨタ車の生産終了という決定は、トヨタとして当地での活動を軽視したものではないと、これに係るトヨタ・ヨーロッパのプレスリリース文に於いて記している。
トヨタは、過去80年以上に亘って、当地のみ成らず欧州、更に世界中のステークホルダーとブランド発展に努力し続けて来た。しかし我々は今、先人たちが築き上げてきた価値観や原則を守り、次の世代に引き継いでいく事を目的として、未来に向けた行動を行わなければならない段階に来たとした。
今後は、ロシアに於ける既存販社を介した顧客への継続的なサービス提供のためのサポートを維持しつつ、勤勉に生産・販売活動に貢献した当地の従業員達に対し、法的要件を超える財政支援を含む、再雇用・再スキル教育など個人の幸福のための支援を提供していくと結んでいる。