豊田自動織機は8月30日、車載電池生産工場として愛知県知多郡東浦町に新設する石浜工場にて、10月より「ハイブリッド車用バイポーラ型ニッケル水素電池」の量産を開始すると発表した。新工場では、月産2万台を予定。2021年5月に同電池生産を開始した共和工場(愛知県大府市)と合せて、月産4万台に増強する。
豊田自動織機では、トヨタ自動車と共同でバイポーラ型ニッケル水素電池を開発。この電池は、電動車の駆動用車載電池として昨年7月発売のトヨタ「アクア」に世界初採用された。
バイポーラ型ニッケル水素電池は、集電体と呼ばれる金属部品の片面に正極、もう一方の面に負極を塗った「バイポーラ電極(Bipolar:双極)」を複数枚積層させてパックしたもので、集電体を正極・負極で共有して部品点数を少なくすることで小型化、また、通電面積が広くシンプルな構造のため、電池内抵抗を低減し、大電流が一気に流れることで、従来型のニッケル水素電池に比べ、高出力化されていると云う。
同電池は、6月発表のレクサス「RX」、そして7月発表のトヨタ「クラウン」への搭載も予定されていることから、豊田自動織機では石浜工場と共和工場にて、今後の需要拡大に対応していく。
豊田自動織機は、カーボンニュートラルに向けた電動車の拡大・普及に貢献するため、様々な電動車に対応できるよう電池のラインアップ拡充を図ると共に、その安定供給に取り組んでいくとしている。
[石浜工場の概要]
– 所在地:愛知県知多郡東浦町大字石浜字願並1-1
– 操業開始:2022年10月予定
– 生産品目:車載電池
– 従業員数:340名(2022年10月計画)
– 建物面積:2万平方メートル