豊田自動織機は5月24日、自動車向け樹脂ウインドウの「低コスト化」と「大型化」を実現する、新たなハードコート剤と、革新的な新工法を開発したと発表した。
なお、新開発の樹脂ウインドウは、5月26日(水)~7月30日(金)にオンライン開催される「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」の、帝人出展サイトにて紹介される。
ポリカーボネート製樹脂ウインドウは、重量がガラスの約2分の1と軽く、また割れにくく自由な形状に成形できるといった特性を有していることから、自動車の軽量化、安全性、デザイン性に貢献する素材として注目されている。
豊田自動織機では、これら樹脂の素材特性を生かしつつも、自動車の窓に必要な10年以上の耐候性能と耐擦傷性能を発揮する独自のハードコート剤や、品質とコストを両立する工法の開発に取り組んできた。
そして今回、耐候性能と耐擦傷性能を維持しながら、耐曲げ性に優れるハードコート剤を新たに開発。ポリカーボネートシート(※1)に、ハードコート剤を塗布してから熱成形を行うという、製造プロセスの抜本的な見直しを行った結果、ポリカーボネート樹脂を射出成形した後にハードコートを塗布する従来工法による製品に比べ、約4割のコスト低減と約2倍の大型化を実現した。
<低コスト化・大型化を実現する新製造プロセス>
<新開発の樹脂ウインドウの特徴>
・低コスト(従来比 約4割減)。
・最大3㎡までの大型製品への対応が可能。
豊田自動織機は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界的に広がる中、この新たな工法で製造する樹脂ウインドウの提供を通じて、一層高まる車体軽量化による燃費向上のニーズに応えていくと共に、1990年代に開始を開始し、20年以上の開発実績と量産車への搭載実績を有する樹脂ウインドウについて、今後さらに高付加価値化を進め、未来のモビリティに最適な製品の開発に取り組んでいくとしている。
※タイトル写真:新工法で製造された樹脂ウインドウ(パノラマルーフ)。
※1:帝人製ポリカーボネート樹脂「パンライト」シート。
■人とくるまのテクノロジー展2021オンライン:https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/online/