豊田自動織機は1月14日、新開発したハイブリッド車(以下、HV)向けのDC-DCコンバーターが、トヨタ自動車が1月13日に発表した新型「ノア/ヴォクシーハイブリッド」に採用されたと発表した。
開発品は、独自のパワーエレクトロニクス技術により、出力電流を従来の100Aから150Aへと1.5倍に引き上げつつも34%の小型化を実現していると云う。
DC-DCコンバーターは、HV等の電気自動車(EV)用バッテリーの高電圧(200Vから400V)の直流電流を、補機バッテリーや制御ECU、ナビゲーションシステム、ライト等で使用するために12Vに変換する電源装置。
近年の自動車では、電子化と電動化の進展に伴い、先進運転支援システムに必要なセンサーやカメラといった電装品や、車内で使用される電力が大幅に増加。それらへの対応のため、DC-DCコンバーターには、大電流出力が求められている。
豊田自動織機は今回、パワーエレクトロニクス分野のコア技術である“厚銅基板(※)技術”と、大電流化に伴って増加するノイズを回路や構造設計の最適化によって抑える“低ノイズ技術”とを発展させることで、大電流化と小型化を両立した新型DC-DCコンバーターを開発。車両起動時に発生する過電流からハイブリッドシステムの回路を保護するためのプリチャージ機能も内蔵した。
豊田自動織機は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けてEV市場が世界的に急成長する中、この新型DC-DCコンバーターをはじめとするカーエレクトロニクス製品の提供を通じて、HV、電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)といった電動車の普及を支えていくとしている。
※銅箔が厚いことから抵抗が少なく、また高い放熱性を備えるため大電流を流すのに適した基板。大電流基板とも呼ばれる。
■(トヨタ自動車)新型ノア:https://toyota.jp/noah/
■(トヨタ自動車)新型ヴォクシー:https://toyota.jp/voxy/