トヨタ自動車は、日本製鉄が10月14日に東京地方裁判所に提起した「無方向性電磁鋼板(※)」の特許侵害に関する損害賠償請求訴訟を受け、同日、声名を発表した。
今回の訴訟についてトヨタは、本来、材料メーカー同士で協議すべき事案であるとし、長年に渡る取引先である日本製鉄が、ユーザーである同社に対して訴訟を決断したことは大変残念と、遺憾の意を表明。
材料メーカーとの取引にあたっては、その都度、特許抵触がないことを材料メーカーに確認しており、今回、特許の侵害が疑われている宝山鋼鉄股份製の電磁鋼鈑についても、取引締結前に、それがないことを確認の上契約。また、その旨についての書面も受領していると主張した。
また、日本製鉄からの指摘を受け、改めて宝山鋼鉄に確認をした際にも、先方から「特許侵害の問題はない」という見解も得たと、無方向性電磁鋼板(※)に関する特許侵害について否定した。
※特殊な製造プロセスによって鉄の磁石につく特性(磁気特性)を著しく高めた「高機能材料」である電磁鋼板を、偏った磁気特性を示さないように鋼板の面内でできるだけランダムに結晶方位をコントロールした鋼板。モータなど回転機の「鉄心(コイルの中にある鉄材:コア)」に広く使用されている。