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2019年5月23日【テクノロジー】

豊田合成、GaNパワー半導体で世界最高水準の大電流動作実現

NEXT MOBILITY編集部

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豊田合成は、青色LEDの材料である「窒化ガリウム(GaN)」の結晶化技術を用い、開発中の「縦型GaNパワー半導体」において、世界最高水準となる1チップで100アンペアの大電流動作を実現した。

豊田合成株式会社・ロゴ

車や家電、産業機器などで幅広く使われるパワー半導体は、電力を変換する電子部品(※1)として、現在、電動車の普及や再生可能エネルギーの利用拡大に伴い高性能化が求められている。

 

しかし、従来の材料であるシリコン(Si)では、大電力の効率的な変換(※2)が限界に近づいている(※3)。

 

そこで豊田合成は、耐圧性に優れる「GaN」を使用することに加え、電気を基板に対して垂直に流す「縦型構造」を採用することで、薄型・小型化。その性能を高めて(※4)きた。

 

今回、新たにGaN結晶内に「電流分散層」を導入することで、電流を耐圧維持層に広げて抵抗値を下げ、電流容量を従来の50アンペアから100アンペアに高めることに成功した。

 

なお豊田合成は、この技術について、今年5月に上海で開かれたパワー半導体の世界最大の国際会議(ISPSD/※5)で発表している。

 

 

※1:電気のオン/オフの切り替え(スイッチング)などにより、電圧や電流、周波数などを変換する。

※2:導通時やスイッチング時の電力損失(熱に変わる)が少ないこと。
※3:Siは半世紀以上に渡る改良を経て、「高耐圧」(高電圧で壊れない)と「低抵抗」(電気抵抗が低い)の両立が物性上の極限に近づいているため、大電力動作時の「導通損失」や高周波動作時の「スイッチング損失」の大幅な低減が難しい。

※4:GaNはSiの10倍以上の耐圧性を持つため、薄型化・低抵抗化による導通損失の低減が可能。また「縦型」はチップ全体を使って電気を流せるため、小型化・高周波動作化によるスイッチング損失の低減が可能。これらにより豊田合成は、高耐圧(1.2kV 級)で低抵抗(1.8mΩ㎠
)、高周波動作(10MHz 以上)などの性能を実現している。
※5:The 31st IEEE International Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs

 

 

■(豊田合成)縦型GaNパワー半導体の技術説明資料(PDF):https://www.toyoda-gosei.co.jp/upload/news/787/document_20190523.pdf

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。