豊田合成は3月3日、水素で走る燃料電池トラック向けにニーズ拡大が見込まれる大型の高圧水素タンクを、市場投入したと発表した。
この水素タンクは、トヨタ自動車やいすゞ自動車などが出資する「Commercial Japan Partnership Technologies(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ/以下、CJPT/※1)」が市場導入を進める量販燃料電池小型トラック(以下、FCトラック)に採用されていると云う。
豊田合成では、この大型の高圧水素タンクの開発にあたり、燃料電池車MIRAI(2代目)向けに生産している乗用車用タンク(※2)で培った、水素貯蔵の効率向上技術を応用。開発品では、MIRAI向けタンクと比較して約8倍の水素充填を可能(※3)とした。
豊田合成は、今後も、輸送用トラックなどの商用車に求められる長い航続距離や短時間での充填といったニーズを満たすFCトラックの普及を目指して、燃料電池車の基幹部品である水素タンクを開発。その生産を通じて、水素社会の実現に貢献していきたいとしている。
※1:商用車に於けるCASE技術・サービスの企画を行う会社として2021年4月に設立。カーボンニュートラル社会の実現への貢献だけでなく、ドライバーや作業者の負担軽減など、輸送業界が抱える課題解決にも取り組む。
※2:トヨタと共同開発し、2020年11月より、いなべ工場で生産。
※3:豊田合成が生産を担うMIRAIの車両後部に搭載のタンクと比較。