豊田合成は、全体を樹脂で成形し重さを半減したターボダクトを開発した。
この「樹脂軽量ターボダクト」は、今年2月にトヨタ自動車から発売された海外向けの新型ハイエースに搭載されている。
ターボダクトはエンジンの出力を高めるために圧縮した空気を送るパイプで、高い耐圧・耐熱性能に加え、エンジンの振動を吸収する性能が必要とされる。そのため従来は金属やゴムなど複数のパイプで構成されている。
豊田合成では今回、長く複雑な形のパイプを成形できるサクションブロー工法(※)を新たに導入し、ターボダクト全体を樹脂で成形し、約5割の軽量化を実現。
また、材料に軟質樹脂を採用したほか、パイプの一部を蛇腹形状にするなど設計を工夫することで、耐圧・耐熱や振動吸収の性能を確保した。
※「ブロー成形」は、金型に流し込んだ樹脂に空気を吹き込んで中空形状を作る工法で、ペットボトルなど身近な製品にも用いられる。「ブロー成形」と「吸引」を組み合わせた工法が「サクションブロー成形」。金型の上から流し込んだ樹脂を下から吸引することで、金型内の複雑で長い空洞部に行き渡らせたうえで、空気を吹き込んで中空形状を作る。