トーヨータイヤ(TOYO TIRE)は8月10日、米国生産子会社「Toyo Automotive Parts(アメリカ・ケンタッキー州/以下、TAP)での自動車部品の生産を今月31日付で終了し、11月30日(予定)までに解散の手続きを開始。清算手続きの一環として、TAPに対する貸付債権120百万米ドル(※)を放棄すると発表した。
トーヨータイヤでは現在、自動車部品事業に於いて、収益性の改善やEV化の進展に合わせた新商品開発などによる競争力の更なる強化に取り組んでいるが、2001年より北米市場で自動車メーカー向けに防振ゴムなどを供給しているTAPは、昨今の材料費やエネルギー費、人件費などのコスト高騰により、収益性の維持・向上の見通しが立たない状況にあると云う。
このことから、経営資源の最適化、自動車部品事業の体質強化を図るため、今回、TAPの生産終了と解散を決定。生産については他の拠点に移管し、米国での販売は「Toyo Tire North America OE Sales」が継続する。また従業員に対しては、退職後の就職を支援。今後は、同社のクロージングに向けた資産整理などを併せて進めるとしている。
※金額は 同社清算時の債務超過見込額。8月10日時点の債権額130百万米ドルについては、2023年12月期第2四半期までに個別決算に於いて貸倒引当金を計上済み。
<TAP概要>
– 会社名:Toyo Automotive Parts(USA), Inc.
– 設立:2001年
– 資本金:29.0百万ドル(TOYO TIRE株式会社100%出資)
– 代表者:崎 富博
– 従業員数:207名(2023年6月末現在)
– 事業内容:自動車用防振ゴム及び等速ジョイントブーツの製造
トーヨータイヤは、TAPの生産終了・解散の決議に伴い、2023年12月期第2四半期決算に於いて減損損失370百万円及び関係会社整理損3,386百万円、合計3,756百万円を計上済み(8月10日付「2023年12月期第2四半期累計期間の連結業績予想値と実績値との差異及び通期連結業績予想の修正、並びに配当予想の修正に関するお知らせ(PDF) 」にて公表)。
また、債権放棄に関する債権については、個別財務諸表上貸倒引当金を過年度に計上しているため、個別決算に与える影響は軽微。また、連結決算に於いては、相殺消去されるため、当該債権放棄による連結損益への影響はないとしている。