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2023年10月17日【ケミカル】

東洋インキ、パワエレ用焼結型銀ナノ接合材を開発

坂上 賢治

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同社が印刷インキ分野で培ったペースト設計技術で印刷方式に応じた粘度調整が可能になった無加圧と高放熱性を両立させる接合材でパワー半導体の製造工程のコストを削減

 

東洋インキSCホールディングス(TOYO INK SC/本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙島悟)は10月17日、パワー半導体チップ等のエレクトロニクス製品に用いる無加圧での焼結と高い放熱性を両立させた焼結型銀ナノ接合材を開発した。

 

近年、電気自動車の拡大に伴い半導体需要が拡大するなか、電流や電圧の調整時に於けるエネルギー損失の少ないSiC(シリコンカーバイト/シリコン+炭素の加工物)半導体の採用が進んでいる。

 

接合塗膜の緻密性を制御し、放熱性に優れた焼結型銀ナノ接合材を開発した

 

しかしSiC半導体は従来のSi(シリコン元素のみを使う)半導体と比較して動作温度が高く、より高い耐熱性と放熱特性が求められるため、既存の鉛フリーはんだに代わる接合材が求められてきている。

 

そうしたなか今回、東洋インキSCホールディングスが開発した焼結型銀ナノ接合材(詳細リンク)は、無加圧での焼結と高い放熱性を両立するパワー半導体用接合材だという。

 

nmサイズに微粒子化した銀ナノ粒子の銀の融点は962℃なのだが、ナノ粒子にすることによって融点降下がおこり200℃以上の温度で焼結が起こる。これにより熱伝導性や接合強度等の特性が実現することになるとしている。

 

同製品は銅基版と直接接合が可能で、熱伝導率300W/mk以上、接合強度40MPa以上(同社測定限界値)を示し、薄膜チップや特殊形状のチップにも対応可能だ。

 

また、はんだリフロー炉(複数加熱・冷却制御ではんだ付けを行う)等の既存設備も使用可能で、大量のチップを同時に焼結でき、従来品と比べ5~30分と短時間での焼結が可能だ。従って設備投資コストだけでなく、パワー半導体の製造工程時のエネルギー低減にも貢献する。

 

具体的な試験体作成工程図

 

東洋インキSCでは、「同製品は高放熱性を必要とする車載・電鉄用インバーターモジュールや車載ECU、高周波デバイス、パワーIC、高出力LEDなどの接合に適しています。

 

無加圧タイプのほか、均一かつ低圧力で接合することでチップや基材へのダメージを抑制可能な加圧タイプもラインナップしています。

 

電力効率の高いパワー半導体は、脱炭素社会実現のためのキーマテリアルの一つです。東洋インキグループは、独自の技術から生まれた製品やサービスの提供を通じて社会課題を解決することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。