東芝の事業会社・東芝インフラシステムズと、双日、ブラジルのカンパニア・ブラジレイラ・メタルジア・イ・ミネラソン社(Companhia Brasileira de Metalurgia e Mineracao:CBMM)は、ニオブチタン系酸化物(Niobium Titanium Oxide:NTO)を用いたリチウムイオン電池向け負極材の共同開発契約を締結した。
3社は電気自動車(EV)用途等に適した高エネルギー密度、かつ急速充電が可能な次世代リチウムイオン電池の材料の開発に取り組む。
東芝インフラシステムズは、負極材に急速充電性能、長寿命、安全性に優れるチタン酸リチウムを採用したリチウムイオン電池SCiBを、2008年から製品化。その後も継続的に製品のエネルギー密度を高める開発をしてきたが、昨年、NTOを負極材に用いた、高容量次世代リチウムイオン電池(次世代SCiB)の試作に成功した。(注1)
NTO負極はリチウムイオン電池の負極材として一般的に使用される黒鉛と比較して、2倍の素子エネルギー密度(注2)を発揮すると云う。
ニオブ(Nb)は、金属元素の一つで、鉄鋼添加剤として主に高張力鋼、ステンレス鋼などの高級鋼材に用いられ、中でも自動車向け鋼材の軽量化・剛性化には不可欠とされている。
CBMMは、ニオブ市場で、世界一位の生産・販売量と、高い技術力、製品開発プログラムを有しているとのこと。
また双日は、CBMMの株主の1社として、CBMMの日本市場向けの総代理店として、安定的な原料供給体制の構築や用途開拓を進めてきた知見・ノウハウを持つと云う。
東芝インフラシステムズは、CBMMと双日が提供する五酸化ニオブを用いて、NTOの電極製作および性能評価を行い、安価で品質の安定した仕様の確立を目指す。
また、同時に材料サプライチェーンを構築し、2020年度の次世代SCiBTMの量産化を進めるとしている。
注1:2017年10月3日付株式会社東芝が発表
注2:体積容量あたり
[東芝インフラシステムズ社の概要]
代表者:代表取締役社長 秋葉慎一郎
設立:2017年7月1日
資本金:100億円
売上高:12,468億円(2017年度連結)
[双日株式会社の概要]
代表者:代表取締役社長 藤本 昌義
設立:2003年4月1日
資本金:160,339 百万円
売上高:42,091億円
[CBMM社の概要]
代表者:Eduardo Ribeiro (エドゥアルド リベイロ)
設立:1955年