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東芝が開発したリチウムイオン二次電池「SCiB」が東海旅客鉄道(JR東海)の次期新幹線車両N700Sの確認試験車の補助電源用バッテリーに採用された。
「SCiB」の高速鉄道車両への適用は、今回が初めてとなる。
次期新幹線のN700Sには、更なる安全性、安定性の向上と省エネルギー化のため、徹底した装置の小型・軽量化が求められている。
同社は、従来の鉛電池と比較して大幅な小型・軽量化を実現できる「SCiB」が、N700Sのより一層の小型・軽量化に加え、長時間停電時における機能向上に貢献したとしている。
東芝とJR東海はまた、「SCiB」を用いたバッテリー自走システムを共同開発しており、地震などによる長時間停電等においても、自力走行で安全な場所まで移動できるよう目指している。
N700S確認試験車では、このバッテリー自走システムを用いた自力走行の検証を予定。
異常時における乗客の安全性確保ならびにサービス向上に「SCiB」が寄与すると云う。
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– 今回採用された電池モジュール(右)と「SCiB」セル(左)-
「SCiB」の特性について東芝は、高い安全性、1万回以上の充放電が可能な長寿命、-30℃の環境下にも耐え得る低温度動作などを挙げている。
特に安全性においては、外圧が加えられて内部短絡が生じても異常発熱や発火を起こしにくい構造となっている為、今後高い安全性が必要とされる鉄道車両への適用が期待されるとしている。