東レは1月23日、中国の樹脂事業統括会社〝東麗塑料(中国)/Toray Plastics(China)〟(略称:TPCH)が、耐熱性や耐薬品性、機械強度などに優れ、自動車の電装部品や電気・電子用コネクターなどに使われる高機能樹脂のコンパウンド生産拠点の新設を決定。現地生産子会社の〝東麗樹脂科技(佛山)/Toray Resins(Foshan)〟(略称:TRFS)に、コンパウンド設備を導入すると発表した。
なお、TRFSの新生産拠点は今年4月からの稼働を予定。また、これに伴い、既存の樹脂コンパウンド拠点である〝東麗塑料(深圳)/Toray Plastics(Shenzhen)〟(略称:TPSZ)からの一部生産移管を予定していると云う。
東レでは、中国経済について、足元では回復ペースが鈍化しているものの、引き続き年率約5%の成長が見込まれる有望な市場であり、中でも自動車市場は、世界最大の市場として、さらなる成長が見込めると判断。同国では、NEV(環境対応車)向けた政府支援も積極的に進められており、自動車用途を主とした高機能樹脂の需要拡大が予想されることから、特に、近年の環境規制強化によるNEVの拡大により、顧客の要求特性の高度化が進み、東レが得意とする高機能材料のニーズが高まると予想していると云う。
そこで今回、その動きに対応して、高機能樹脂の安定供給力を強化するために、新たな生産拠点の建設を決定。これにより、伸長するNEV用途を中心に、先端通信を含む電気・電子用途、ソーラー発電用途など、今後拡大が期待される中国華南地区での高機能樹脂の需要拡大をいち早く確実に取り込み、中国での一層の事業拡大を目指すとしている。
現在、中期経営課題〝プロジェクト AP-G 2025〟の基本戦略の一つとして、「価値創出力強化」を推進している東レは、今後、同拠点を中国内需のみならず、東南アジアを主とするグローバルオペレーションの拠点としても活用する計画。引き続き海外拠点の拡充と、有機的な連携をさらに強化し、グローバルでの事業拡大を推進していくとしている。
[会社概要]
■TPCH
– 会社名:東麗塑料(中国)有限公司/Toray Plastics(China)Co., Ltd.
– 設立:1995年4月
– 所在地:香港特別行政区九龍
– 資本金:99.1百万HKD
– 出資比率:東レ株式会社 100%
– 代表者:社長 塚本 恭利
– 事業内容:中国に於ける樹脂事業統括会社、樹脂コンパウンド製品の販売。
■TRFS
– 会社名:東麗樹脂科技(佛山)有限公司/Toray Resins(Foshan)Co., Ltd.
– 設立:2023年6月
– 所在地:広東省佛山市南海区
– 資本金:450百万元
– 出資比率:
・TPCH 90%
・東麗(中国)投資/Toray Industries(China)10%
– 代表者: 董事長 塚本 恭利
– 事業内容:高機能樹脂コンパウンド品の製造および販売。