東レは１０月４日、フランスの子会社「Toray Carbon Fibers Europe（以下、CFE）」に於いて、レギュラートウ（※）の中・高弾性率炭素繊維の生産設備を増強すると発表した。
レギュラートウとは、航空機や圧力容器等、高性能・高品位が要求される分野で使用されている、フィラメント数が24K（24,000本）までの炭素繊維。計画では、CFEのアビドス工場の生産能力を増強し、現行の年産5千トンから6千トンに増強。2025年からの生産開始を予定している。
カーボンニュートラル社会の推進を背景に、ビルドレートが回復する民間航空機の二次構造材やエンジン、ウラン濃縮回転胴、衛星用途、高級自動車等の用途に使用される中・高弾性率炭素繊維の需要拡大が見込まれていると云う。
中期経営課題“プロジェクトAP-G 2025”の基本戦略の一つとして「持続的な成長の実現」を推進し、炭素繊維複合材料事業を、その戦略に則った気候変動対策の加速に貢献する製品と位置付ける東レは、今回、これらの需要が拡大する欧州の拠点であるCFEでの生産設備を増強。中・高弾性率炭素繊維の安定供給していく。
東レは、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の下、総合力を駆使して課題解決に最適な素材をグローバルに提案・提供し続け、2050年のカーボンニュートラル社会実現に貢献していきたいとしている。
［CFE概要］
– 社名：Toray Carbon Fibers Europe S.A.
– 本社所在地：フランス共和国ピレネー・アトランティック県ラック
– 設立：1982年12月
– 代表者：Jean-Marc Guilhempey（社長 兼 CEO）
– 事業内容：炭素繊維・コンポジット成形品の製造・販売。