信用調査会社の東京商工リサーチは、6月25日、エアバッグ製造大手タカタが、民事再生法の適用申請から1年後までの連鎖倒産に関する調査報告を発表。懸念された国内取引先の連鎖倒産はゼロであることを公表した。
タカタの倒産は負債総額1兆5,024億円(申請当時) に達し、製造業の倒産としては戦後最大。
国内では滋賀県と佐賀県に2工場を開設し、国内仕入先は延べ745社(1次・2次合計)に及んでいたが、倒産による影響を最小限に抑えるため、部品供給などに関わる重要な取引先には全額弁済し、それ以外の債権者には民事再生手続に則り、債務圧縮を行った。
このため、債権カットを受けた中小企業への影響が危惧されたが、これまで連鎖倒産は発生していない。
なお、同社によると、連鎖倒産が発生しなかった主な要因は以下の通り。
1,政府が信用保証協会を通じ、タカタと一定の直接取引関係を有する中小企業・小規模事業者を対象に、一般保証とは別枠の限度額で融資額の100%を保証するセーフティネット保証1号を発動した
2,日本政策金融公庫などの政府系金融機関が、タカタの民事再生法の適用申請で売上減少などの業況が悪化した中小企業・小規模事業者に対し、セーフティネット貸付を実施した
3,各自治体が、タカタの取引先への相談窓口を設け、保証協会や商工団体との連携など支援体制を敷いた
4,タカタが倒産後も、従来の生産水準を持続した