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2018年7月30日【自動車素材】

横浜ゴム、天然ゴムの生合成メカニズムを解析・特定へ

NEXT MOBILITY編集部

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横浜ゴムは、タイの大学と共同で2013年から行っている天然ゴム研究の成果をThe International Polymer Conference of Thailand 2018(PCT-8)で発表した。

 

共同研究を行っているのはマヒドン大学とプリンス・オブ・ソンクラー大学の2校で、今回マヒドン大学との研究により、天然ゴムの基となる樹液(ラテックス)に含まれるタンパク質の解析と、天然ゴムの生合成に深く関与するタンパク質の特定に成功。

 

これにより天然ゴムの生合成への理解が深まり、品質や生産に関わる研究の加速化が可能となるとしている。

 

横浜ゴム・ロゴ

 

天然ゴムは、パラゴムノキから採取したラテックスを加工した原料で、タイヤの約30%を占める主要原料のひとつ。生産が東南アジアに集中しているため、異常気象や病気によって大規模な生産阻害を受けるリスクがあると云う。

 

同社は、今後タイヤ需要の拡大が見込まれる中、天然ゴムの品質向上や、安定生産に貢献する技術開発を推進することが重要な責務と考え、研究成果を天然ゴム農園の維持・発展に活用していくとしている。

 

 

マヒドン大学との研究では、新鮮なラテックスやパラゴムノキの苗木からタンパク質を抽出し、含まれているタンパク質をナノレベルで分析し、ラテックスに含まれる800種以上のタンパク質を解析。これらの一部が天然ゴムの生合成や耐ストレス性に関係していることを解明した。

 

さらに、異なる品種のパラゴムノキを比較することで、生合成を促進するタンパク質や阻害するタンパク質の特定に成功。これらは生合成のバイオマーカーとしての活用が期待できると云う。

 

ソンクラー大学とは天然ゴムの基礎研究を行っており、季節や地域、品種、加工法の異なるラテックスを分析し、ゴムの物性や化学特性の違いの有無を長期間評価。

 

現在までの研究で、天然ゴムは組成から物性まで非常に安定した材料であり、外的要因の影響を受けにくいことが分かってきているとのことだ。

 

ラテックスがタンパク質によって凝固するモデル図

ラテックスがタンパク質によって凝固するモデル図

 

 

横浜ゴムグループは、CSRの重要課題のひとつに「バリューチェーンを通じたCSR活動の推進」を掲げている。

 

同社は、この方針の下、今回の天然ゴムの共同研究に加え、天然ゴム農園での生物多様性調査や農家の安定収入のために天然ゴム林に竹や果樹などを混植して育てる「アグロフォレストリー農法」の普及を推進するなど農園の維持を支援している。

 

マヒドン大学は、バンコクに本拠地を置く国立大学で、タイの大学ランキングで第1位となっており、天然ゴム研究でも優れたリーダーシップを発揮。

 

また、プリンス・オブ・ソンクラー大学は天然ゴム栽培が盛んなタイ南部で最古の国立大学で、横浜ゴムの天然ゴム加工会社のY.T. Rubber Co., Ltd.(ワイ・ティー・ラバー)が所在するスラタニに共同研究先のキャンパスを有している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。