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2018年9月28日【オピニオン】

独製鉄・機械大手のティッセンクルップAG、事業分割の検討に入る

坂上 賢治

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事業分割の理由は、同社創業の原点ともいえる製鉄事業に加え、近年はカーボンコンポジット製品などの先端製品の開発を行うテクノロジーメーカーとしての側面があり、これが投資家達にとって複雑に映り、複数の業界に跨がる事業構造が業績の足かせになっているとの意見があった。

その他、前CEOのハインリヒ・ヒージンガー氏の電撃辞任や監査役会会長のウルリッヒ・レーナー氏の辞職の他、昨年来よりスポークス活動に於いても、事業拡張の戦略構築で経営上の混乱が見られていた。

 

 

 なお現行の旧社となるティッセンクルップAGは、ドイツ製鉄業の中心地であるドイツ・エッセンに本社を構え、1811年創業のクルップと1867年創業のティッセンが1999年に合併して誕生したドイツ製鉄業界最大の企業である。

 

現在時点では、世界約80カ国に拠点を持ち、2014-2015年度の売上高は428億ユーロ(およそ5兆6千億円)、同時点では従業員数154,906人を配していた多国籍企業であり、日本でも東京都・羽咋市・豊田市・広島市・北九州市に拠点を持っている。

 

 

元来、企業設立の経緯から鋼材を中核とした素材開発に強みを持つ産業グループであったのだが、昨今は新たな事業の地平を目指し、自動車や機械工学、産業用のハイテク部品の開発・生産に注力してきた。

 

自動車業界では、カムシャフト、シリンダーヘッドモジュール、クランクシャフト、ステアリング、ダンピングシステムなどの他、鋼材開発分野に於けるマテリアル領域で存在感を示していた他、鍛造並びに冷間鍛造プロセス技術の開発でも世界の自動車バリューチェーン全体で、一定の役割と立ち位置をその歴史の中に印してきた。

 

 

最近の動きでは、先の2018年3月2日に約1億ユーロを投資し、東欧ハンガリーにドイツ国内および海外向けの自動車OEMの電動パワーアシストステアリングシステム とバルブトレインシステム部品の製造拠点の稼働を開始。今や欧州自動車産業の主要プレイヤーに成長した当地で、スプリングやスタビライザーの製造拠点として新たな別工場も建設中であるとしていた。( MOTOR CARSから転載  )

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。