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2020年11月13日【経済・社会】

TGR、ダカールラリー2021に4台のハイラックスで参戦

NEXT MOBILITY編集部

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TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は11月13日、2021年1月3日(日)よりサウジアラビアで開催される、ダカールラリー2021に4台のハイラックスで参戦することを発表した。参戦ドライバーは、昨年に引き続きナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組とジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ組、そして新たにヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組とシャミア・ヴァリアワ/デニス・マーフィ組が加わる。

 

 

チームはハイラックスで2012年よりダカールラリーに参戦しているが、ダカールラリー2021では、経験豊富なスペシャリストとニューフェイスの組み合わせで参戦となる。今回のTGRチームはダカールラリーで数多くの上位完走経験を持つアル-アティヤ/ボーメル組とド・ヴィリエール/ハロ組という強力な2台が上位を争い、ラテガン/カミングス組、ヴァリアワ/マーフィ組が経験を重ねていく形となる。チームのダカールラリーでのこれまでの戦歴は、3位(2012年)、2位(2013年)、4位(2014年),2位(2015年)、3位(2016年)、5位(2017年)、2位(2018年)、優勝(2019年)、2位(2020年)となっている(全て総合順位)。

 

 

ディフェンディングチャンピオンであったアル-アティヤ/ボーメル組は、2020年のダカールラリーを惜しくも2位で終えているが、その後、彼らは10月に行われたダカールラリーの前哨戦とも言えるラリー・アンダルシアで勝利を挙げた。2021年大会では、彼らにとって4度目となるダカールラリー総合優勝を目指している。また、2012年からハイラックスでダカールに挑み、何度もチーム最上位フィニッシュを果たしているド・ヴィリエール/ハロ組も、ダカールラリーの優勝候補だ。

 

 

そして、ダカールラリー2021では、南アフリカからコンビのラテガン/カミングス組とヴァリアワ/マーフィ組がTGRチームに加わる。ラテガンは初のダカールラリー参戦。彼は近年、ラリーレイドレベルの高い南アフリカクロスカントリーシリーズ(SACCS)で2年連続のチャンピオンに輝いており、初挑戦のダカールラリーで可能な限りの経験を重ねることが目標だ。ナビゲーターのカミングスは過去、ダカールラリーに2輪バイク部門で2度出場。2014年には、競技中のアシスタントなどサポートなしでダカールに挑戦する、マーレ・モトクラスで2位に入っている。ヴァリアワはダカールラリーへの参戦経験はあるが、TGRからは初の参戦になる。南アフリカ国内選手権でナビゲーターとしてチャンピオンの経験を持つマーフィはダカール初挑戦となる。

 

 

チームはダカールラリー2021に最新型のラリーレイド仕様のハイラックスで挑む。車両は南アフリカ・ヨハネスブルグのキャラミ・グランプリ・サーキット近郊に位置するチーム本拠地で開発された。現行型の車両は2018年にデビューしたラリーレイド専用車。4輪独立サスペンションを備えた4輪駆動車で、5リッター自然吸気V8エンジンをフロントミッドシップに搭載しており、2018年のデビュー以降、毎年大幅に改良が加えられている。ダカールラリーでの好結果が、ハイラックスの信頼性とタフさを証明している。この現行ハイラックスはデビューした2018年のダカールラリーで総合2位、3位に入り、そして2019年には総合優勝を果たし、2020年も2位の好成績を残している。

 

 

このラリーレイド仕様ハイラックスの開発には、SACCSでの参戦が大きく貢献している。TGRダカールチームの代表、グリン・ホールは、ド・ヴィリエールとラテガン両ドライバーによる実戦での貴重なフィードバックをもとに改良を続けてきた。2021年のダカールラリーに向けては、全体的なレイアウトやジオメトリに大きな変更はないが、サスペンションや自然吸気V8エンジンを改良することで、この最新型のハイラックスはこれまで以上の信頼性と競争力を併せ持つこととなった。

 

 

 

 

ダカールラリー2021は2020に引き続き、サウジアラビアで開催される。競技者は現地時間の2021年1月3日(日)にジェッダを出発予定だ。全体的なルート構成は前大会と似ているが、主催者は全く新しいセクションで競争力のあるラリーにすることを発表している。1月9日(土)、ハイルの街で伝統的にとられるラリー中間の休息日を経て、後半戦は再びジェッダへと戻り1月15日(金)にゴールとなる。ダカールラリー2021のルートにはこれまで通り、夜を徹してでもサービスのあるビバーク地へと戻らなくてはならないマラソンステージに加え、スタートとゴールが同じ地点となる2つのループステージもあると予想されている。

 

 

さらに、ダカールラリー2021では、新たにデジタル・ロードブックが採用される。これは各ステージのスタート直前に競技者に渡される。この方式はダカールラリー2020でも幾つかの限られたステージで試されていたが、ダカールラリー2021ではそれが標準となりる。この新たなフォーマットは先の予測できないラリーレイドという競技のレベルを高めるだけでなく、主催者による管理・運営の簡略化にも繋がるとされる。

 

 

 


 

チーム代表 グリン・ホール:
ダカールラリー2021に向けて、期待に胸が高まっています。今年は新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりにより、多くのモータースポーツイベントが影響を受けただけに尚更です。今のところ、ダカールラリー2021は予定通り新年早々の開催へ向けて進んでおり、この素晴らしいイベントに南アフリカで開発されたハイラックスで挑めるのは最高の気分です。

 

ナッサー・アル-アティヤ:
再びトヨタのハイラックスと共にダカールラリーに挑めることをとても嬉しく思っています。私はハイラックスで2019年のダカールラリーを制し、2020年には2位に入りました。そして来る2021年、再び勝利を勝ち取るべく、サウジアラビアでのラリーに挑みます。

 

ジニエル・ド・ヴィリエール:
ダカールは常にタフなラリーですが、ダカールラリー2020では、サウジアラビアに場所を移しダカールラリーが開催されて、その厳しさに変わりはないということを証明しました。来年1月に再びダカールラリーに挑戦できることを楽しみにしていますし、サウジアラビアの砂漠を含む様々なコースに対して、新しいチャレンジへの準備はできています。我々のハイラックスはこれまで以上に好調で、来たるラリーへ向けてしっかり準備ができてきている自信があります。

 

ヘンク・ラテガン:
ダカールラリーへの出場は私にとって夢でした。南アフリカで2度のチャンピオンを獲得しましたが、世界一タフなラリーへの挑戦は容易ではないでしょう。2度のダカール出場経験を持つブレットがパートナーとなってくれることは嬉しいです。南アフリカの地方選手権であるクロスカントリーラリーをハイラックスで戦ってきているので、車両のことはとても良く分かっていますし、その経験が役立つはずです。

 

シャミア・ヴァリアワ:
以前にダカールに出場したときは、多くの課題を残したままラリーを終えなくてはなりませんでした。今回はTGRチームの一員としての参戦し、再びラリーを戦えることが楽しみですし、できる限り多くのことを学びたいと思っています。もちろんそれだけではなく好成績も狙うべく、序盤からスピードと戦略のバランスを考えながら走りたいと思います。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。