テラドローンは1月7日、海外グループ会社ユニフライが、ドローンによる医療輸送の実証実験「SAFIR-Med」に参画していると発表した。
国際連合が2018年5月に公表した報告書によると、2050年までに世界の人口の約70%が都市に住むようになると予測されている。人の移動が都市部に集中することから、アーバン・モビリティーにおける様々な課題が浮上する中で、緊急対応が可能で信頼性の高い医療輸送を実現するソリューションとしてドローンが注目されている。
SAFIR-Medは、ベルギー、オランダ、ドイツの3ヶ国で行われている、人口や建造物が密集する都市部でドローンが安全性を担保しながら医療活動をサポート可能か検証するための実証実験。ドローンだけでなく有人航空機と組み合わせた医療活動を想定し、安全で持続可能かつ社会的に受け入れられる方法で医療活動へのドローン採用を推進する。
欧州では、2023年1月に施行される欧州規則を見据えたドローンの航空管制管理システム「U-スペース」の開発が進められている。SAFIRは、U-スペースを実際の環境や社会と統合していくことを目的に幅広いドローン活動を行うためのコンソーシアムで、U-スペースを稼働させるために連携不可欠な複数の企業・団体が参画している。2回目の実証実験となるSAFIR-Medは、ベルギーの航空交通管制局(ANSP)のSkeyesや、その子会社であるU-スペースサービスプロバイダのSkeyDrone、ドイツのU-スペースサービスプロバイダのDroniqなど、空域を管理する欧州各国の企業がサポートする。また、世界で初めて空飛ぶ車の企業としてNasdaq上場を果たしたドローン機体の先駆者である中国のEhangが参画している点でも、注目の集まる実証実験となる。
テラドローンの海外子会社であるユニフライは、ドローンの運航管理システムであるUTMを開発し、欧米5ヶ国にて導入実績のある同分野におけるトップランナーで、これまでも、各国のドローンの商用化や市場拡大を目的としたプロジェクトに参画してきた。ベルギーのアントワープ港で行われた1回目の実証実験においては、さまざまな制限下で検査などのドローン操作を安全に行うことが可能であることを実証。ドローンの運航管理に関する知見の豊富さ、技術力の高さ、そして1回目の実証実験での成果が評価されたことから、2回目の実証実験においても、ドローン運航管理システムの技術提供に抜擢された。