東京電力ホールディングスは11月1日、電気自動車(以下「EV」)の導入を進めている法人を対象とした「グリーン・チャージ・シェアリング(仮称)」の試験的サービス提供を開始すると発表した。
昨今、カーボンニュートラルの実現に向け、業務用車両のEV切り替えについて検討する法人が増えている。しかし、大都市や中核都市などでは、敷地の制約から充電設備を設置することが難しいケースが多々ある。また、物流用途の配送車をEVに切り替える際には、充電のために必要とする電力量が極めて大きく、充電設備への投資がネックとなりうる。
東京電力ホールディングスが提案するこのサービスは、グリーン電力によって賄われる急速充電器を複数の法人のEVユーザーによってシェアリングする。これにより、各法人のEVユーザーは自社で充電設備を保有する必要がなく、予約システムから充電したい充電器や時間帯(枠)を選択することで業務オペレーションに影響しないタイミングで充電することが可能となる。また、当該の急速充電器から提供する電力は再生可能エネルギー由来のカーボンフリーとなっているため、走行中のCO2排出量をゼロにすることができる。
試験的サービスの第一弾として、静岡県沼津市の沼津郵便局の敷地内に新たに急速充電器を設置し、11月1日から2022年1月末頃まで、周辺地域の12社・1団体を対象に、試験的にサービス提供する。提供にあたっては、充電枠の混雑具合や電力需給状況を加味したダイナミック・プライシング(時間帯別料金)を導入し、その実効性・経済性の検証も行う。
なお、当該期間終了後、さらに事業性の検証を行い、本地域並びに潜在的ニーズが高い他地域へのサービス展開につなげていく予定だとしている。