帝人グループは10月22日、ドイツ・アーヘン工科大学の関連組織であるAZLアーヘンGmbH主催による、自動車などの軽量化に寄与する技術開発のための産学共同のオープンイノベーションプログラム「AZLパートナーネットワーク」に参画することを発表した。
「AZLパートナーネットワーク」には、現在、各国から約90 機関が加盟しており、熱硬化性・熱可塑性複合成形材料などの高機能材料のエキスパートが集結している。
その中で帝人グループは、当ネットワークが 10 月22日に開始する、電気自動車(EV)用のバッテリーボックスの開発・製造に向けた 8 か月間のプロジェクトなどに参画すると明らかにした。
近未来のモビリティ像として「CASE」が示され、環境負荷低減を目的とした自動車の電動化が進む中、軽量化や多機能化など、自動車を取り巻く環境には大きな変化が予測される。こうした変化に対応するため、帝人では、2017 年に米国のCSP社(
Continental Structural Plastics 社)を買収し、以来、グローバル Tier1 サプライヤーとして自動車向け複合成形材料事業を展開している。また、CSP社のフランス現地法人であるCSPヨーロッパでのSMC(*)工場新設、ポルトガルの イナパル社
(Inapal Plasticos 社)やチェコの ベネット社(Benet Automotive 社)の買収など、複合成形材料事業の拡大を推進しており、昨年には、衝突規制に適合しながら、従来のスチールドアに比べて全体の重量を削減したマルチマテリアルドアモジュールを開発した。
本年2 月には、ドイツに次世代自動車開発に向けた市場開拓および技術調査を担うテイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパ(TACE)を設立。長年にわたり培ってきた炭素繊維やアラミドなどの高機能素材に関する技術や知見に基づき、マルチマテリアルでの提案力強化を図っていくとしている。
(*)SMC: Sheet Molding Compound の略。熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させシート状にした成形材料。