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2024年12月12日【事業資源】

スズキ、3車種のバンパーグリルが「バイオマスマーク」認定に

坂上 賢治

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スズキは12月12日、スイフト・スペーシア カスタム・フロンクスの3車種に採用したバンパーグリルが、一般社団法人 日本有機資源協会の「バイオマスマーク商品( バイオマスマークは生物由来の資源=バイオマスを活用している環境商品の目印 )」に認定されたことを明らかにした。

 

また併せて、バイオマス製品の普及推進に優れた功績を挙げた取り組みとして、日本バイオマス製品推進協議会より「第14回バイオマス製品普及推進功績賞」を受賞したことも併せて公表した。

 

 

そんな今回の3車種のバンパーグリルの樹脂素材は、バイオマスポリカーボネート( デュラビオ™ / DURABIO™  )を使用し、植物由来の工業用でんぷんであるイソソルバイドを53%配合した環境に配慮した製品となっている。

 

更に高輝度着色材料のため塗装が不要となる他、それでも一般的なABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂の塗装製品に劣らないツヤ感や質感が得られる上、製造時に排出されるCO2や大気汚染の原因となるVOCの削減にも貢献する。

 

 

ちなみに上記のデュラビオ™とは、三菱ケミカルが開発した植物由来ポリマーのイソソルバイド( イソソルビド )を主原料としたバイオエンジニアリングプラスチックを指す。

 

また同製品は先の通りで無塗装状態で利用・装着できることから、多くのケースでバンパーグリルの背面に装着されることが多いミリ波レーダーなどが求める機能( レーダー波の発射と受信 )を阻害しない点でも優位性(ガラスを代替するほどの光学特性)があるという。

 

三菱ケミカルが示すバイオエンプラの外装用途例(今回の車両とは異なる)

 

さてスズキでは、バイオマス材料の自動車部品への採用を2014年に発売したハスラー( 内装カラーパネル )をはじめ採用車種を順次拡大させてきた。同社によると、こうした素材は例えばスイフト、スペーシアカスタムの場合、石油由来の材料を使用した場合と比べ、CO2排出量を975t-CO2eq/年、VOC排出量を50t/年( 2023年11月~2024年10月 )削減できるとしている。

 

加えてスズキは他にも純正用品として2024年6月には、セルロースを使用したジムニーデザインのマグカップを発売するなど、自動車部品以外でも植物由来材料を積極的に採用してきた。

 

そうした経緯から同社は、「今後も車両の走行時に生じる環境負荷だけではなく、ライフサイクル全体での環境負荷低減を進めるために、バイオマス材料の採用を積極的に推進し、人と社会に必要とされる会社を目指します」とバイオマス製品の採用を今後も積極的に拡大していきたい考えのようだ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。