ペンギンセメント1040J
サンスター技研は2月18日、自動車修理用2液構造用接着剤として高強度パネル ボンディング用接着剤「ペンギンセメント1040J」を2021年2月24日より発売すると発表した。
「ペンギンセメント1040J」は、スポット溶接と接着の併用で車体の剛性と軽量化を実現するウェルドボンド工法に対応した自動車修理用接着剤。従来の接着剤では塗布後からスポット溶接作業の途中で硬化反応が進むため安定した溶接品質が確保しにくいという課題に着目し、接着剤の硬化時間を長く設定。かつ液垂れしにくい処方の採用により複数の車両を、同時に修理できる使用しやすい設計を特徴とする。また、修理後、長期にわたって優れた接着品質を保てるよう優れた耐熱・耐湿老化性能を強みとしている。
なお、一般社団法人 日本自動車車体補修協会(JARWA)と協同で、接着後に溶接を行った際の溶接品質・ 接着強度検証を行い、接着剤として業界初となるJARWA推奨第一号を獲得している。
【発売背景】
近年、自動車の環境負荷低減に向けたCO2排出削減のため、車体の軽量化と剛性向上を両立させる車体組み立て方法としてウェルドボンド工法の採用が増えている。ウェルドボンド工法は、スポット溶接と接着剤を併用して車体の剛性を確保する手法で、より薄い鋼板が使用可能となり車体の軽量化に寄与する。
サンスター技研は、自動車メーカー各社に新車製造向けウェルドボンド構造用接着剤を販売してきたノウハウを生かして、今回、自動車修理現場に適したウェルドボンド構造用接着剤を開発した。開発にあたっては、接着剤を塗布して車体パネルを接合した後にスポット溶接を行う作業工程において、接着剤が早く固まりすぎると溶接作業をしにくいという修理現場の声に応え、余裕をもって溶接を行えるよう接着剤の硬化時間を長めに設定している。また、自動車修理用のウェルドボンド接着剤製品化にあたり、接着強度や接着後の溶接強度の適切な評価を行うため、一般社団法人 日本自動車車体補修協会(JARWA)に評価を依頼、改良を繰り返しながら開発を進め、自動車修理用接着剤として初のJARWA推奨を獲得した。
【ペンギンセメント1040Jの主な特長】
①パネル貼り合わせ時間や溶接可能時間を室温で約4時間確保できるよう硬化性を調整し作業性を向上
②パネル垂直面への接着剤塗布においても液垂れしにくい強力な保形性を確保
③一定時間を過ぎると急激に接着強度が高まり室温24時間後には次工程での作業が可能
④接着強度・溶接性に優れ、特に初期・耐熱老化・耐湿老化後のはく離強度の高さが特徴
⑤自動車用接着剤として一般社団法人 日本自動車車体補修協会(JARWA)推奨第1号獲得
⑥劇物・毒物対象の材料を使用しない安心・安全設計
【ペンギンセメント1040Jの主な仕様】
– 成分:2液エポキシ系高強度接着剤、容量:200ml(主剤:硬化剤=2:1)、色:黒、
– 有効期限:製造後1年、
– 使用用途:ドアアウターパネル/クオーターパネル/ルーフパネル/サイドパネル等の補修交換作業用、
– 接着可能被着体:鋼板/アルミ/FRP、使用不可:オレフィン系樹脂/ガラス、安全性:劇毒物不使用、
– 可使時間:240分(23℃)、強度発現時間:24時間(23℃)、完全硬化時間:48時間(23℃)、
– 付属品:2液混合ミキシングノズル 2本
【発売時期および地域】
2021年2月24日 日本全国の自動車修理工場向けに代理店経由で販売
【サンスターグループ】
サンスターグループは、持株会社サンスターSA(スイス・エトワ)を中心に、オーラルケア、健康食品、化粧品など消費者向けの製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・スイスSA(スイス)と、自動車や建築向けの接着剤・シーリング材、オートバイや自動車向け金属加工部品などの産業向け製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・シンガポールPte. Ltd.(シンガポール)を中核会社とする企業グループ。今回の新製品の発売元であるサンスター技研株式会社は、サンスター・シンガポールPte. Ltd. の子会社。