住友ゴム工業は2月9日、北米市場におけるSUV、ライトトラック用タイヤの好調な販売に対応するため、9,600万ドル(約101億円/*)を投資し、米国工場における乗用車・ライトトラック用タイヤの生産能力を、現在の日産6,500本から2023年末までに日産1万2,000本に増強すると発表した。
また併せて、順調に販売を伸ばしているトラック・バス用タイヤの生産能力についても、2,600万ドル(約27億円/*)を投資して、現在の日産1,750本を2024年末までに日産2,300本に増強。これら生産増強、生産性向上のための総投資額は、1億2,200万ドル(約128億円/*)となる計画だ。
住友ゴムでは、新コロナ禍により落ち込んだタイヤの世界需要が以前の水準まで回復するのは2022年以降になると見込んでいるが、FALKENブランドの「WILDPEAK(ワイルドピーク)」シリーズ等、高機能タイヤの北米市場での販売が好調であることから、これに対応するため、また、米国工場の生産性改善が進んだことから、今回の増産投資を決定。現地生産を強化し、販売リードタイムを短縮することで、更なる拡販につなげるとしている。
また、これら米国工場での生産増強に加え、タイと宮崎の工場にも108億円を投じ、既存設備をSUV、ライトトラック用生産設備に置換。タイ工場で2023年までに日産4,150本、宮崎工場で2024年までに日産1,600本の生産置換を行い、北米販売拡大をサポートする。
住友ゴムは、これら生産能力の増強により、中期計画の柱の一つとして掲げる高機能商品の開発・増販を一層加速していくとしている。
*1ドル=105円で換算。
[生産増強する工場の概要]
<米国工場>
– 会社名:Sumitomo Rubber USA, LLC
– 所在地:米国ニューヨーク州トナワンダ
– 代表者名:伊井康高(CEO)
– 操業開始:1923年
– 事業内容:乗用車・ライトトラック用、トラック・バス用、モーターサイクル用タイヤの製造。
– 生産能力:3,150トン/月(2020年12月末、新ゴム消費量)
– 従業員数:1,340名(2020年12月末)
<タイ工場概要>
– 会社名:Sumitomo Rubber (Thailand) Co., Ltd.
– 所在地:タイ国ラヨーン県アマタシティ工業団地
– 代表者名:齋藤健司(社長)
– 操業開始:2006年
– 事業内容:乗用車用タイヤ、農機・産業車両用タイヤ、モーターサイクル用タイヤの製造・販売。
– 生産能力:15,700トン/月(2020年12月末、新ゴム消費量)
– 従業員数:7,100名(2020年12月末)
<宮崎工場>
– 会社名:住友ゴム工業㈱ 宮崎工場
– 所在地:宮崎県都城市
– 代表者名:安井一男(工場長)
– 操業開始:1976年
– 事業内容:乗用車用、トラック・バス用タイヤの製造
– 生産能力:9,350トン/月(2020年12月末、新ゴム消費量)
– 従業員数:1,455名(2020年12月末)