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2024年7月24日【自動車生産】

住友理工、燃料電池トラック向け製品を開発・量産

坂上 賢治

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住友理工は、カーボンニュートラル及び水素社会の実現に向けた事業活動を推し進めており、現在、各所で運用し始めている燃料電池トラック(FCトラック)用防振ゴム、ホースなどの製品開発と量産を担っている。

 

 

同社が量産しているのは、CJPT( Commercial Japan Partnership Technologies/ コマーシャルジャパンパートナーシップ テクノロジーズ )が企画している小型FCトラックに向けた製品となる。

 

今日、小型トラックに求められる必須条件は、各地域の物流センターなどから量販店やコンビニエンスストアに向けた物流や郵便などを担えること。地域社会を支える車両として積極的に利用されるようになること。

 

FCトラックイメージ

 

安定した冷蔵・冷凍機能を備えられること。1日で複数回に亘る配達を行えること。長時間の使用や長距離走行が可能なことなどが求められる一方で、短時間で燃料補給が可能であることも求められる。

 

またトラック運送にあたっては、「2030年のCO2排出原単位を、2005年度比で31%削減すること」をメイン目標に、「車両総重量8トン以下の車両について、2030年に於ける電動車の保有台数を10%とすること」がサブ目標として定められている( 公益社団法人 全日本トラック協会「トラック業界の環境ビジョン2030」 )。

 

そうしたなかで走行時のCO2排出がゼロであり、短時間での燃料補給が可能な水素技術を搭載できている小型トラックは、今後の物流業界に於いて有効な選択肢だと考えられている。そこで同社は、今後もFCシステムを導入した優れた商用車の開発に向けて、更なる努力を重ねていきたいと話している。

 

もとより住友理工グループでは、経営ビジョン「2029年 住友理工グループVision」で、実現したい未来社会像として、「自然と都市と人の空間が繋がるグリーンで快適な社会」を掲げている。これを達成させるべく、次世代モビリティへの進化に対応した製品の開発・供給を推し進めると共に、脱炭素・循環型社会・新エネルギーを柱とするグリーンな社会の実現に向けて貢献していきたい考えだ。

 

住友理工の主なFCトラック用製品紹介は以下の通り>

 

>>水素タンクマウント
水素タンクをボディー部分に固定するために取り付けられるマウント(防振ゴム)。水素タンクの安定支持の役割を担っており、タンクバルブからの振動低減に貢献できる。

 

乗用車と比べ、長時間使用するトラックの方が水素タンクの容量が多く、その分サイズ・重量のある水素タンクが使用されるため、振動低減と信頼性が両立するよう設計開発を行っている。

 

水素タンクマウント

 

>>水素ホース
水素タンクに充填された水素をFCスタックへ供給するホース。分子量が小さい水素に対する非常に高度なシール性要求に応えている。車両サイズが大きいトラックへ水素を供給するため、乗用車のホースよりも長尺化したことに加え、シール性能を維持できるよう設計開発を重ねた。

 

水素ホース
※画像は乗用車用

 

>>FCセル用ガスケット
セパレータと呼ばれる板状の部材や発電部材などからなるセルの構成部品のうち、水素と酸素、そして水の漏れを防ぐゴム製シール部材。FCスタックは、セル330枚が積層された構造で、これら1枚1枚に本製品が搭載されている。

 

 

また、セル用ガスケットは氷点下から100℃以上の広い温度領域に於いて高いシール性を発揮し、燃料電池車(FCEV)の長期安全性、高効率な発電性能に貢献している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。