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2020年8月25日【経済・社会】

住友商事と木村鋳造所、3Dプリンター鋳造を米国で共同展開

NEXT MOBILITY編集部

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住友商事と木村鋳造所は、3Dプリンターを活用した鋳造試作部品製造事業を手掛ける木村鋳造所の米国子会社「Kimura Foundry America(以下、KFA)」に、住友商事が35パーセント出資することで合意し、契約を締結した。

自動車や建設機械、産業機械等の分野では、部品を製造するために砂型鋳造(※1)が広く用いられている。

 

砂型鋳造では、木や樹脂等を切削して原型を成形し、その形状を転写して固めた砂型に、溶かした鉄などを注入して製品を製造するが、この原型の製造には、特に形状が複雑な自動車エンジン部品の試作品や、型が古く製造が難しい補修部品等の場合、数週間から数か月の期間を要する。

 

木村鋳造所は、この原型の製造を省略するため、入力した3Dデータに基づき、薄い砂の層に樹脂を一層ずつ塗布して積層する砂型積層3Dプリンター(※2)を導入。これにより、砂型を1日で完成させることを可能とし、納期を大幅に短縮。また、一回のプロセスで数十個以上を同時成形できるという利点もあると云う。

 

さらに、木村鋳造所では、溶解温度が1,400度を超える鉄系材料を用いた場合でも、製品形状に悪影響を与えない砂の膨張を抑える技術を確立している。

住友商事は、長年にわたり、木村鋳造所が製造する鋳造品の海外販売を手掛けてきたが、今回のKFAへの出資を通じて、グループ内の自動車部品製造事業等とのシナジー効果のほか、構築してきた海外顧客ネットワークを活用し、建設機械、農業機械、産業機械等、幅広い分野における事業拡大を目指す。

 

住友商事と木村鋳造所は、米国に加えて欧州やアジア地域での展開も進め、将来的には世界の関連産業の発展に貢献していきたいとしている。

 

 

※1)砂型鋳造:砂で作った型に溶融金属を流し込み成型する鋳造法。

※2)砂型積層3Dプリンター:薄い砂の層の上に樹脂等を一層ずつ積層し、3Dデータから立体的な砂型を直接造形する3Dプリンター。最終製品を直接造形する金属積層3Dプリンターと異なり、砂型製造以降のプロセスは従来型の鋳造法が用いられるため、試作品や補修部品であっても量産時と同等レベルの品質と機能を担保できる。

 

 

[KFA概要]

 

– 社名:Kimura Foundry America, Inc.(KFA)
– 所在地:米国インディアナ州
– 設立:2018年11月(営業拠点としての開設は2014年)
– 出資比率:木村鋳造所:65% / 住友商事:35%
– 事業内容:砂型積層3Dプリンターによる鋳造部品の製造・販売

 

 

■木村鋳造所:https://www.kimuragrp.co.jp/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。