図1 衝突回避飛行試験イメージ
スバルは11月8日、日本無線、日本アビオニクス、ACSL、マゼランシステムズジャパンと、広域飛行空域(福島県南相馬市)で、小型化/低消費電力化されたセンサを10kgクラス無人航空機に搭載して、自律的な衝突回避試験を実運用速度域である相対速度200km/hで実施し、世界で初めて成功したと発表した。
一般にドローンと呼ばれる小型の無人航空機や、それよりも一回り大きく、より大きなセンサなどを搭載できる中型の無人航空機は、既に農業分野などで利用が広がり、さらには災害時の物資運搬や遭難者捜索、物流インフラなどの用途に大いに期待され、運用数は増加している。
しかし、無人航空機とドクターヘリなどの有人航空機のニアミス実例が国内で報告されるなど、衝突回避技術は、安全利用のための喫緊の課題であった。また、衝突回避技術は、無人航空機の実用化に必要とされる、「目視外飛行」および「第三者上空飛行」の実現に欠かせない技術となっている。
なお、本試験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発/単独長距離飛行を実現する運航管理機能の開発(離島対応)」の一環として実施されたもの。
■実施した試験概要
10㎏クラスの無人航空機と有人ヘリコプターを、相対速度200km/h(無人航空機:50km/h、有人ヘリコプター:150km/h)で各々の正面方向から接近させ、無人航空機に搭載した各種センサの探知データに基づき、衝突を回避する経路をリアルタイムで生成して、この回避経路に沿って無人航空機が自律回避飛行することを確認した。また、有人ヘリコプターを回避した後、無人航空機が元の飛行経路に復帰することも確認した。
図2 衝突回避飛行試験の状況