左から右へ: ステファノ・ロ・ルッソ、トリノ市長。カルロス・タバレス氏、ステランティスCEO。アルベルト・シリオ、ピエモンテ州大統領。 Leonardo Rossi 氏、ステランティス eDCT 工場マネージャー
ステランティス N.V.は4月10日(イタリア・トリノ発)、イタリアの歴史あるミラフィオーリ複合施設で電動デュアルクラッチトランスミッション (eDCT) の新製造拠点の立上げ式を行った。
eDCTの生産開始は、これまで2億4,000万ユーロが投資されたミラフィオーリ オートモーティブ パークの来たる2030年へ向けた刷新計画の重要なマイルストーンとなる。
この式典の壇上でカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、1億ユーロの追加投資を発表した。ミラフィオーリ オートモーティブ パーク2030 は、持続可能なモビリティ産業を目指すステランティスのビジョンを具体化させたもの。同拠点は、ステランティスの主要グローバルハブの1つであり、設計から再生に至る自動車サイクル全体を含む業務領域を担うことになるという。
またミラフィオーリはステランティスで進行中のグリーンキャンパス変革プログラムの一部でもあり、36,000トンに換算されるCO 2排出量の削減に貢献する。
グリーン キャンパス全体は、創造性と効率性を促進し、持続可能な職場環境を作り出すためのアイデアを共有する場所となる。これはステランティスの「Dare Forward 2030」戦略で概説される2038年までにカーボンネットゼロを目指すという目標を支えるものとなる。
この先駆的な取り組みは、持続可能な自動車産業の未来を示している。その活動には車両の修理、車両の解体、部品の再製造が含まれており、世界的な車両の販売拡大も計画されている。そうしたなかでステランティスは、2030年までに部品とサービスの寿命延長収益を2021年と比較して4倍にし、リサイクル収益を10倍にすることを目指しているという。
タバレスCEOは、「ステランティスは、イタリア、フランス、米国などの拠点を足掛かりに世界規模の事業刷新を推し進めています。
そうしたなかでミラフィオーリは、技術開発、製造、循環経済活動を集約する中枢機能を備えた中核拠点に育ちつつあるという点でユニークな存在です。また今回のeDCT生産の開始と並行して、本日発表した追加の1億ユーロの投資は、手頃な価格帯によるフィアット500eの販売と製造活動を拡大する目標に貢献するものとなるでしょう。
ミラフィオーリ オートモーティブ パークの存在は、過去80年に亘る豊かな歴史を紐解き記し続ける次の章です。実際、現在時点でアバルト 500e、フィアット 500e、マセラティ グラントゥーリズモ、マセラティ グランカブリオの生産拠点となっており、そこで製造された車両の90% 以上が輸出され、イタリアの貿易収支に貢献しています。
ステランティスは、イタリアのスタッフ達のスキルと献身的な貢献に心から感謝したいと思います。また我々は、イタリア国内産業に於いて中国を含む様々な競争相手に対して、イタリアのリーダーとしての地位を守り続けます」と述べた。